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「鴻雁来る(こうがんきたる)」は、二十四節気の「寒露」の初候(10月8日頃)にあたる七十二候の一つで、北国から雁(かり)が日本へ渡ってくる時期を表す季語です。「鴻(こう)」は大型の雁、「雁(がん)」は小型の雁を指し、これらが群れをなして空を渡る様子は、本格的な秋の訪れと冬への兆しを告げる風物詩として古くから親しまれてきました。冷たい北風に乗って、整然とした隊列(雁行)を作って渡ってくる姿は、季節の大きな節目を感じさせます。
空を見上げて雁の群れを捉えるという視覚的なアプローチだけでなく、夜間に聞こえる「カリ、カリ」という独特の鳴き声(聴覚)や、肌を刺すような秋風の冷たさ(触覚)と結びつけると、より立体的な句になります。また、遥か彼方のシベリアなどから命がけで海を渡ってきたという生命のダイナミズムに注目し、旅情や自然への畏敬の念を込めて詠むのがコツです。
時間帯を表す「夕月」「秋の夜」「ともしび」、空間を表す「湖」「干潟」「葦(あし)」など、水辺や静寂を想起させる言葉と美しく調和します。また、「旅」「便り」「ふるさと」といった、郷愁を誘う人間の営みや心情を添えることで、より深い余韻が生まれます。
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