米搗ばつた
autumn 生活

米搗ばつた

こめつきばった

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意味・由来\n「米搗ばつた(こめつきばった)」は、ショウリョウバッタ(精霊飛蝗)の別名、またはその動作を指す秋の季語です。後脚を揃えて指で押さえると、体を前後にペコペコと上下に振る習性があり、その姿が昔の人が米を精米するために足踏み式の唐臼(からうす)を踏んで米を搗く(つく)仕草に似ていることから名づけられました。また、頭を何度も下げて平謝り・礼拝するようなユーモラスで愛らしい動きから、古くから子どもたちに親しまれてきた昆虫です。\n\n### この季語で詠むコツ\n米搗ばつたを詠む際は、その「礼拝するように頭を下げる反復の動き」や「掌に乗せたときの感触・重み」、あるいは「子どもたちが遊ぶ無邪気な情景」に焦点を当てると生き生きとした句になります。バッタの持つ素朴なひょうきんさや哀愁と、秋の澄んだ空気感や仏前・寺などの静かな背景との対比を意識するのも効果的です。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n- 動作・感覚: 「掌(てのひら)」「拝む」「跳ねる」「ひざまずく」「ぺこぺこと」\n- 場所・風景: 「縁側」「畳」「仏間」「草むら」「夕影」「庭先」\n- 人・情景: 「童(わらべ)」「子ども」「夕暮れ」「秋日和」「静けさ」

米搗ばつた」の俳句例 (3件)

米搗ばつた掌にして拝まれぬ
正岡子規【現代語訳】捕まえた米搗ばったを手の上に乗せてみると、まるで私に向かって頭を下げて拝んでいるようだ。\n【鑑賞】手のひらでペコペコと頭を下げるバッタの愛らしい仕草を、そのまま「拝まれた」と擬人化して受け止めた子規らしい軽妙で写実的な一句です。病床にあっても身近な小動物を温かくユーモラスな視線で見つめる子規の優しさが伝わってきます。
米搗ばつた佛の御足にすがりけり
小林一茶【現代語訳】米搗ばったが、仏様の尊い御足にしがみつくようにして一心に頭を下げていることだ。\n【鑑賞】お堂の仏像の足元に跳びついた米搗ばったが、まるで敬虔に仏を拝み祈っているかのように見える情景を捉えています。小さな生き物に人間や仏への想いを重ね合わせる一茶ならではの温かな慈愛と機知に満ちた名句です。
米搗ばつた畳の縁を越えかねて
阿波野青畝【現代語訳】部屋に迷い込んできた米搗ばったが、畳のへりのわずかな段差をなかなか越えられずにいる。\n【鑑賞】庭から縁側を伝って座敷に迷い込んだバッタが、畳の縁(へり)で悪戦苦闘している極めて微細な情景を写生しています。静かな秋の室内の空気と、昆虫の不器用で微笑ましい動きが鮮やかに描かれています。

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