木茸
autumn 植物

木茸

きのたけ

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意味・由来

「木茸(きのたけ)」とは、枯れ木や倒木、あるいは生きている立ち木の幹や根元に生えるキノコ全般を指す秋の季語です。一般的な地面に生える茸と区別され、樹木に寄生・自生する特有の佇まいや、山林の豊かな生態系、そして奥深い山の静寂を感じさせる言葉として愛されてきました。湿り気を帯んだ木肌にひっそりと生える姿は、秋の深まりや山中の寂寥感を際立たせます。

この季語で詠むコツ

木茸そのものの形や色を写生するだけでなく、それが生えている場所の「樹木の様子」(苔むした倒木、大樹の根元など)や「周囲の光景・空気感」(木洩れ日、しとしとと降る秋雨、静かな冷気)を組み合わせることが重要です。森の静けさや湿り気、ひんやりとした肌触りなど、五感を意識した言葉を取り入れることで、光景が鮮やかに浮かび上がります。

相性のいい言葉・取り合わせ

・自然・場所:倒木、苔、杉の根、大樹、奥山、日陰 ・気象・環境:山雨、時雨、雫、冷気、湿り、薄日 ・感覚・状態:静けさ、ひんやり、しじま、生ひ立つ

木茸」の俳句例 (3件)

木茸や日陰つめたき杉の根に
村上鬼城【現代語訳】杉の木の根元の日陰に木茸が生えている。その場所はひんやりと冷たい空気に包まれている。【鑑賞】杉林の深遠な静けさと冷気、そしてその日陰に静かに佇む木茸の生命感を簡潔かつ鮮明に捉えた名句です。
木茸や雨のそこひの山の声
水原秋桜子【現代語訳】木茸が生えている秋の雨の奥底から、静かな山の鳴動や風の音が聞こえてくるようだ。【鑑賞】しとしとと降る雨の中で木茸を見つめつつ、山全体の深い響きや気配を繊細に感じ取っている幻想的で美しい作品です。
木茸の雨のしづくや杉の秋
前田普羅【現代語訳】木茸に滴る雨のしずくに、杉林の秋の深まりが感じられる。【鑑賞】一滴の雨のしずくを通して、山中の清冽な空気と秋の深まりを表現しています。杉の木と木茸という取り合わせが山中の情景を色濃く描き出しています。

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