桂月
autumn 天文

桂月

けいげつ・かつらづき

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意味・由来

「桂月(けいげつ/かつらづき)」は、陰暦八月(仲秋)の異称です。中国の伝説において、月の中には巨大な「桂(モクセイ・カツラ類)」の木が生えており、そこから良い香りと澄んだ光が放たれていると信じられていたことから、月そのものや、最も月が清らかに輝く仲秋八月のことを「桂月」と呼ぶようになりました。秋の夜の冴えわたる月の光とともに、どこか東洋的な神話性や古典の雅びを漂わせる季語です。

この季語で詠むコツ

「桂月」という言葉自体に深い風情や格調高い響きが備わっているため、あまり言葉を飾り立てすぎず、静寂や光の透明感を際立たせるのがコツです。単に「八月」という暦上の意味だけでなく、「月の光が夜気を清らかに満たしている情景」として捉えると、豊かな詩情が生まれます。夜の静けさ、水面への映り込み、澄み切った大気などを落ち着いたトーンで描写してみましょう。

相性のいい言葉・取り合わせ

・視覚・光の描写(澄む、影、清し、鏡、水面、露) ・静寂を深める事物(古寺、庭、書斎、庵、池) ・雅やかな情景(琴、衣、墨、盃、夜気)

桂月」の俳句例 (3件)

桂月や影濃き庭の踏みどころ
飯田蛇笏【現代語訳】八月の澄みわたる月光のもと、庭に落ちる木々の影があまりにも濃く際立ち、どこを踏んで歩けばよいのだろうか。 【鑑賞】冴え冴えとした桂月の強い光が、庭の陰影を鮮やかに描き出している様子を捉えています。静まり返った夜の美しさと緊張感が一歩を踏み出す足元に凝縮された、蛇笏らしい格調高い名句です。
桂月や母が縫ひたる衣をきて
長谷川素逝【現代語訳】八月の澄んだ月明かりの夜、母が丹精込めて縫ってくれた着物を着て身を清めている。 【鑑賞】冷ややかに澄みわたる月光と、母の手縫いの衣がもたらす温もりとの対比が印象的です。清らかな秋の夜に、母の愛情と自らの生への感謝が静かに重なり合っています。
桂月や古鏡をみがく庵の夜
村上鬼城【現代語訳】八月の清らかな月光が差し込む庵の夜、静かに古い鏡を磨いている。 【鑑賞】月光に照らされながら古鏡を磨くという行為が、自らの心を研ぎ澄ます精神的な営みのように感じられます。「桂月」の持つ古典的な雅やかさと、庵での侘びた暮らしが美しく響き合っています。

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