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「手覆(ておおい)」とは、手の甲や手首を覆って寒風を防ぐ防寒具のことです。現代でいう手袋全般を指すこともありますが、俳句の世界では特に、手の甲を覆って指先を出した実用的な覆いや、素朴な布製のものを連想させます。古くから農作業や日々の商い、旅路など、厳しい寒さの中でも手先を動かして働かなければならない庶民の暮らしに寄り添ってきました。華やかな装飾品というよりも、生活の知恵や労働のぬくもりがにじむ冬の季語です。
「手袋」という言葉が持つ都会的でおしゃれな印象に比べ、「手覆」には素朴でどこか土の匂いがするような風情があります。そのため、日々の仕事や家事、寒空の下での作業風景と取り合わせると実感がこもります。手覆から出ている指先のかじかみや、使い込まれて擦り切れた布の質感、道具を握りしめる手の力強さなど、手の動きや触覚を具体的に描写することが成功の秘訣です。
・暮らしや労働を想起させる物(縄、荷車、竹箒、炭、大根) ・手の表情や感覚(かじかむ、節くれ立つ、赤らむ、指先) ・素朴な情景を表す言葉(朝市、木綿、藍染め、峠道、古びたる)