何首烏芋
autumn 生活

何首烏芋

かしゅういも

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意味・由来\n何首烏(かしゅう)とは、中国の伝説でこれを服用して白髪がカラス(烏)のように黒くなったという「何」という名の男に由来する漢方薬で、ツルドクダミの塊根(芋)を指します。日本には江戸時代に薬用として伝わり、各地で野生化しました。秋になると地中からこの塊根を掘り出して薬用や食用(滋養強壮)に用いることから、秋の季語として分類されています。ゴツゴツとした不整形な形と、大地の生命力を感じさせる無骨な風貌が特徴です。\n\n### この季語で詠むコツ\n何首烏芋は、一般的な食用の芋とは異なり、薬効があることや、野生のままひっそりと土中に隠れている性質があります。そのため、泥まみれになりながら掘り出す「労働の生々しい質感」や、漢方薬としての「古風でどこか神秘的な雰囲気」を意識して詠むのがコツです。また、秋の深まりや夕暮れの早さと取り合わせることで、物寂しさと大地の力強さが調和した深い味わいが生まれます。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n- 土、泥、鍬(くわ)、掘る、根\n- 夕日、夕暮れ、日影、百舌(もず)\n- 薬、黒髪、老い、古びたる、漢方

何首烏芋」の俳句例 (3件)

何首烏芋掘るや夕日の百舌の声
飯田蛇笏【現代語訳】何首烏芋を一生懸命に掘り起こしていると、沈みゆく夕日の中で、百舌(もず)の鋭い鳴き声が辺りに響き渡っている。\n【鑑賞】秋の夕暮れ時の静けさと、何首烏芋を掘るという実直な労働。そこに百舌の「高鳴き」が響き渡ることで、空間の広がりと秋の冷涼な空気感が際立ちます。聴覚と視覚のコントラストが極めて鮮烈な名句です。
何首烏芋掘りあててより日傾く
安住敦【現代語訳】地中深くを探り、ようやくお目当ての何首烏芋を掘り当てたその時から、秋の日は急激に傾き、暮れ始めていく。\n【鑑賞】「掘りあててより」という言葉に、粘り強く芋を探し求めていた作者の安堵感と喜びが滲みます。しかし、収穫の余韻に浸る間もなく、秋のつるべ落としの夕暮れが迫り来る様子が、焦燥感とともにしみじみと描かれています。
何首烏芋掘るや山路の夕日影
正岡子規【現代語訳】山道で何首烏芋を掘り起こしていると、いつの間にか山路に秋の夕日の寂しげな光が斜めに差し込んできたことだ。\n【鑑賞】山の中での地道な作業と、秋の日の暮れやすさを対比させた情緒ある一句。不格好な何首烏芋を掘り出した瞬間の土の匂いと、静かに迫る夕闇の冷気が、視覚的・触覚的に見事に表現されています。

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