貸小袖
autumn 生活

貸小袖

かしこそで

俳句びと 公式スマートフォンSNS

あなたの句を、世界に届けよう

季語辞典で見つけた素敵な言葉を使って、今日の一句を詠んでみませんか?無料で投稿でき、他の愛好家と交流できます。

意味・由来

「貸小袖(かしこそで)」は、秋の寒さが本格的になる時期、夜の冷え込み(夜寒)をしのぐために、宿や訪ねた先の主人が客に貸し出す防寒用の着物(小袖)のことです。歳時記では「貸衣(かしぎぬ)」の傍題とされており、江戸時代には旅先や他人の家で夜を過ごす際、お互いに衣服を貸し借りして温め合う人情味あふれる習慣がありました。単なる実用的な防寒具としてだけでなく、主人の細やかなもてなしの心や旅の情緒、あるいは旅先での寂しさを象徴する、温かみのある秋の季語です。

この季語で詠むコツ

「貸小袖」を詠む際は、ただ「寒いから衣服を借りた」という事実を描写するだけでなく、貸してくれた人の温かい「心遣い(情)」や、借りた着物の「ぬくもり・匂い・重み」に着目すると情感が深まります。また、夜の冷気や旅先での心細さといった「寒さ・寂しさ」と、人の情によってもたらされる「温もり」の対比を意識すると、コントラストが効いた味わい深い句になります。現代の感覚を重ねるなら、旅先の古い宿で羽織る袢纏(はんてん)などのイメージで詠むのも良いでしょう。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 寒さや夜の静けさを表す言葉: 夜寒(よさむ)、秋の夜、冷まじ(すさまじ)、灯(ともしび)
  • 人の行為や心情を表す言葉: あるじ(主人)、情(なさけ)、嬉し(うれし)、重ねて
  • 衣服の質感を表現する言葉: 肩(かた)、袖(そで)、重み(おもみ)、糊(のり)、温し(ぬくし)

貸小袖」の俳句例 (3件)

貸衣や夜寒の肩の丸きより
加舎白雄【現代語訳】貸してもらった小袖を羽織ると、夜の寒さに身をすくめていた私の丸くなった肩に、しっくりと馴染んで温かさがじんわりと伝わってくる。 【鑑賞】寒さに耐えて丸くなった「肩」という極めて具体的な身体的特徴に焦点を当てた、写実的で繊細な句です。借りた小袖が自分の体型に合っていく過程を描くことで、そこにある人間的な温もりと、どこか物悲しい秋の夜の寂しさを際立たせています。
貸衣重ねて嬉し夜の寒
向井去来【現代語訳】秋の夜のしんしんとした寒さの中で、主人が貸してくれた小袖をさらに重ねて着ると、その温かさが本当に嬉しく、身に染みるように感じられることだ。 【鑑賞】旅先や知人宅での温かな交流を素直に描いた名句です。「貸衣(貸小袖)」を身にまとった瞬間の、物理的なぬくもりと、貸し主の優しい心遣いに対する感謝の念が「嬉し」の一語に見事に凝縮されています。
貸衣やあるじの情うすからず
服部嵐雪【現代語訳】貸してもらったこの小袖は、主人の深い思いやりがこもっており、生地が決して薄手ではないのと同様に、その温かい情もけっして薄いものではないのだ。 【鑑賞】衣服の「厚み(薄くないこと)」と、主人の「情の厚さ(うすからず)」を掛け合わせた、機知に富んだ温雅な句です。借りた衣服を通じて、旅の夜の孤独が主人の人情によって芯から解きほぐされていく様子が心地よく伝わります。

みんなの「貸小袖」の詠み(人気順)

この季語を使った人気の投稿はまだありません。

みんなの「貸小袖」の詠み(新着)

この季語を使った「みんなの詠み」はまだありません。

あなたが最初の1句を詠んでみませんか?

関連する「」の季語