刈田原
autumn 地理

刈田原

かりたはら

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意味・由来\n「刈田原(かりたはら)」は、秋の収穫が終わり、稲がすっかり刈り取られた後の田んぼが広がる風景を指す季語です。かつての黄金色の賑やかさは消え去り、切り株だけが整然と並ぶ静かで広大な光景へと変化します。収穫の喜びの後に訪れる、どこか寂しげで、しかし遮るものがなくなって見通しの良くなった開放的な秋の野の様子を表しています。日本の農村の原風景とも言える、哀愁と大らかなぬくもりが同居した季語です。\n\n### この季語で詠むコツ\n刈田原を詠む際は、ただ「寂しい」という主観を述べるのではなく、具体的なディテールを描写することが大切です。泥が乾いて白くなった土の様子、刈り跡から再び青々と芽吹く「ひこばえ(穭)」、あるいは広々とした空間を際立たせる夕日や冷たい風など、視覚や触覚に訴えかける言葉を選びましょう。静寂の中に生まれる小さな動きを捉えると、より叙情豊かな句になります。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n* 鳥・生き物: 雀(すずめ)、烏(からす)、鶺鴒(せきれい)、鳩、虫の音\n* 光と風: 夕日、夕暮れ、日向、影、秋風、野分\n* 人の気配・事物: 畦道(あぜみち)、足跡、かかしの跡、家路、小さな祠

刈田原」の俳句例 (3件)

日のあたる刈田原ありどこまでも
高浜虚子【現代語訳】秋の柔らかな日の光が暖かく降り注ぐ刈田原が、見渡す限りどこまでも広がっている。【鑑賞】収穫を終えたばかりの広大な田園風景を、主観を交えずにありのまま写生した作品です。「どこまでも」という素朴なリフレインが、遮るもののない大地の広がりと、それを等しく照らす秋の陽光の豊かさを感じさせ、寂しさの中にもどこか大らかな温かみを感じさせます。
刈田原ゆくや雀の百ばかり
正岡子規【現代語訳】稲が刈り取られた後の田んぼの原を歩いていくと、雀が百羽ほども一斉に飛び立っていくことだ。【鑑賞】収穫が終わってひっそりとした刈田原。そこに取り残されたわずかな落ち穂を求めて集まっていた雀たちが、人の足音に驚いて一斉に飛び立つダイナミックな光景を描いています。晩秋の静寂と、鳥たちの旺盛な生命力との対比が見事な写生の一句です。
刈田原一鳥下りて暮れにけり
臼田亜浪【現代語訳】広々とした刈田原に、一羽の鳥がすうっと舞い降りて、そのまま日が暮れてしまったことだ。【鑑賞】静まり返った刈田原の夕暮れを詠んだ句です。遮るもののない広大な空間に、ただ一羽の鳥が降り立つという極めてシンプルな動きが、周囲の圧倒的な静けさと孤独感をいっそう引き立てています。まるで一幅の水墨画を見るかのような、静寂の極致が表現されています。

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