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「鴈(かり・がん)」は、秋にシベリアなどの北方から日本へ渡ってくる渡り鳥(ガン科の鳥の総称)を指す季語です。春に北へ帰るものは「帰る雁(かり)」として春の季語になります。古くから「万葉集」をはじめとする和歌の時代から愛され、その群れをなして整然と空を飛ぶ姿や、哀愁を帯びた鳴き声は、秋の訪れと旅情、そしてどこか物寂しい季節感を象徴するものとして親しまれてきました。「雁(かり)」や「雁がね(かりがね)」とも表記されます。
鴈を詠む際は、視覚と聴覚の両方を意識すると良いでしょう。夕暮れの空に美しい列(「雁行」)を作って飛ぶ視覚的な美しさと、静まり返った夜空に響く「キィ、キィ」という鳴き声(「雁金」)の聴覚的な寂しさは、どちらも強い詩情を呼び起こします。また、鴈の姿そのものを描くだけでなく、それを見上げる作者自身の心情や、旅愁、遠くの故郷を思う気持ちなどを重ね合わせることで、より深みのある句になります。
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