からの群
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からの群

からのむれ

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意味・由来

「からの群(からのむれ)」は、スズメ目アトリ科の鳥「イカル(鵤)」の群れを指す晩秋の季語です。「から」はイカルの古名であり、秋から冬にかけて数十羽から百羽以上の大きな群れを作って行動する習性があります。太く黄色い嘴(くちばし)が特徴で、木の実をパチパチと音を立てて割って食べます。古くからその美しいさえずりや、群れをなして一斉に飛び立つ姿が秋の深まりを告げる風物詩として親しまれてきました。

この季語で詠むコツ

「からの群」を詠む際は、群れとしてのダイナミックな「動き」や、彼らが発する「音」に着目するのがコツです。一斉に飛び立つときの羽音や、梢から梢へ移動する様子、また「キコキーコ」という澄んだ鳴き声や木の実を割る音など、五感に響くディテールを捉えることで、深まりゆく秋の冷涼な空気感を描き出すことができます。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 動作・状態を表す言葉:「一斉に」「あふれ出る」「こぼる」「去る」「梢(こずえ)」
  • 自然・背景の言葉:「落葉」「杉の木」「雑木林」「寒雲」「夕日」
  • 聴覚に関する言葉:「羽音」「響く」「こぼれる(声)」

からの群」の俳句例 (3件)

からの群れ杉の梢をあふれ出づ
水原秋桜子【現代語訳】鵤(いかる)の群れが、杉の木の梢から溢れ出るようにして一斉に飛び立っていく。【鑑賞】杉の常緑の深い緑から、一斉に羽ばたき現れるイカルの群れの躍動感を「あふれ出づ」という動的な言葉で表現しています。晩秋の冷涼な空気感と、鳥たちの生命力が際立つ写生の一句です。
からの群れのぼりて下りて落葉かな
原石鼎【現代語訳】鵤(いかる)の群れが、舞い上がり、また舞い降りて、落葉のようにひらひらと動いていることよ。【鑑賞】鳥の群れの上下する不規則な動きを「のぼりて下りて」と平易に表現し、それをひらひらと舞う落葉に重ね合わせています。秋の深まりゆく景色のなかで、鳥の動きそのものが季節を体現しているかのような美しさを感じさせます。
からの群一樹を去るや落葉急
飯田蛇笏【現代語訳】鵤(いかる)の群れが一斉に一本の木から飛び去ると同時に、激しく落葉が散り落ちてゆくことよ。【鑑賞】「から」は鳥のイカルのこと。一斉に飛び立つ群鳥の羽音や動きのダイナミズムと、それに呼応するかのように激しく舞い散る落葉の静と動のコントラストが見事に描かれています。晩秋の寂寥感の中にある一瞬の激しい生命の躍動を捉えた名句です。

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