から萩
autumn 植物

から萩

からはぎ

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意味・由来

「から萩(からはぎ)」は「唐萩」とも書き、マメ科の多年草である「シバハギ(柴萩)」の別称、あるいは中国(唐)から渡来したとされるハギの一種を指します。通常の萩に比べて草丈が低く、地面を這うようにして可憐なピンク色の花を咲かせるのが特徴です。その素朴でありながらも風情ある佇まいは、古くから旅情や寂寥感を象徴する花として俳諧で好まれてきました。「唐」という字が使われていますが、きらびやかというよりは、野趣に富んだ秋の野の美しさを表現するのに適した季語です。

この季語で詠むコツ

から萩を詠む際は、その「低さ」と「繊細さ」に注目すると良いでしょう。視線を地面に近づけ、草むらの中にひっそりと咲く姿を描写することで、秋の訪れや終わりの寂しさを強調できます。また、大自然の雄大さの中にぽつんと置かれた旅人の心情を託すメタファーとしても非常に効果的です。

相性のいい言葉・取り合わせ

・「露(つゆ)」「雨(あめ)」「風(かぜ)」といった自然現象 ・「旅(たび)」「草の枕(くさのまくら)」「野宿(のじゅく)」などの旅情を誘う言葉 ・「夕暮れ」「夜(よる)」など、静けさや一日の終わりを感じさせる時間帯

から萩」の俳句例 (3件)

唐萩や折々は風の吹戻す
炭太祇【現代語訳】から萩が風に吹かれて倒れそうになっているが、時折、風が逆方向に吹いて元の位置へと押し戻していることだ。 【鑑賞】しなやかで細いから萩の枝葉が、秋の風に翻弄される様子を克明に写生した作品です。ただ風に揺れるだけでなく、「吹き戻す」という一瞬の動きを捉えることで、植物の生命力と秋風の気まぐれな優しさが巧みに描かれています。
から萩の露にぬれ寝ん草の枕
松尾芭蕉【現代語訳】から萩に置く露に濡れながら、この草むらの中で草を枕にして旅寝をしようではないか。 【鑑賞】『野ざらし紀行』の冒頭近くで詠まれた句です。行き倒れをも覚悟した厳しい旅立ちにあたって、から萩という風雅な花と、冷たい露に身をさらす野宿の覚悟を重ね合わせ、旅人の風狂の精神を美しく表現しています。
唐萩の花に風ひく野宿かな
向井去来【現代語訳】美しく咲くから萩の花の傍らで野宿をしていたら、秋風に吹かれて風邪を引いてしまいそうだ。 【鑑賞】芭蕉の弟子である去来による、ユーモアと旅情が同居した一句です。可憐なから萩の花に囲まれて眠る風流さの裏にある、実際の夜風の冷たさや体調への懸念を率直に詠み上げており、秋の夜のリアルな寒さが伝わってきます。

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