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「駈鶉(かけうずら)」は、秋の季語である「鶉(うずら)」の生態に焦点を当てた、非常に躍動感のある子季語です。鶉はキジ科の鳥で、危険を感じたときや移動する際、羽ばたいて飛ぶよりも、草むらや刈り跡の地面をすばやく走り抜ける習性があります。この、低く乾いた秋の野を俊敏に「駈ける」姿をとらえたのが「駈鶉」です。秋の寂寥感漂う風景の中で、小さな命が懸命に、かつ身軽に走り去る様子は、一瞬のきらめきとどこか愛らしさを感じさせます。
駈鶉を詠む際は、その「スピード感」と「静と動のコントラスト」を意識することが大切です。ただ走っている姿を描写するだけでなく、走った後に残る草の揺れや、乾いた足音(カサカサという音)、一瞬のうちに見失ってしまう儚さを捉えると、俳句に深い余韻が生まれます。また、うずらの小ささや保護色(土や枯れ草に混じる羽の色)に着目し、風景の中に溶けていく一瞬を切り取るのも効果的です。
地面や足元の景物と非常によく調和します。「刈跡」「枯草」「落葉」「こぼれ萩」といった秋の深まりを感じさせる言葉や、「夕日」「西日」「影」といった光と影を意識させる言葉と相性が良いでしょう。また、「乾く」「かそけし」「見失ふ」といった、聴覚や消えゆく感覚を表す言葉と取り合わせることで、駈鶉の素早さと寂しげな風情が引き立ちます。
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