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「隠君子(いんくんし)」とは、秋を代表する花である「菊」の雅名(異称)です。中国・北宋の儒学者である周敦頤(しゅうとんい)の文章『愛蓮説』にある「菊、花之隠逸者也(菊は花の隠者なり)」という一節に由来します。世俗の富貴や名利に惑わされず、人里離れた地で静かに節操を守って生きる高潔な人物(隠者・君子)に菊の佇まいを重ね合わせた言葉です。漢詩の深い教養と文人好みの風雅な精神が宿る、格調高い三秋の季語です。
単に「菊」と言うよりも、孤高、静寂、文人趣味、隠棲といった精神的な奥行きを漂わせることができます。植物としての菊そのものの姿を描くのはもちろん、隠者が住むような静かな庵や山里の情景、書物やお茶といった静謐な暮らしの場面と取り合わせると効果的です。漢語特有の硬さや重みがある言葉ですので、他の部分を柔らかい和語で整えると、品格と風情が調和した一句に仕上がります。
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