芋嵐

芋嵐

いもあらし

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意味・由来

「芋嵐(いもあらし)」とは、初秋から仲秋にかけて、里芋の大きな葉を激しく吹き煽り、葉裏を白く翻らせるように吹き荒れる強い風のことです。主に里芋の収穫期前後に吹く風を指し、青々とした広い葉が一斉に波打ち、裏返ってざわめく様子には独特の荒涼感や力強さがあります。単なる「野分(のわき)」や「秋風」とは異なり、里山の暮らしや畑の風景、土の匂いが強く感じられる生活感あふれる季語です。

この季語で詠むコツ

里芋の大きな葉が風に翻る「視覚的なダイナミズム」や、風が葉を揺らす「音」を意識して描写すると、情景が鮮やかに浮かび上がります。また、芋嵐は畑仕事をする人々にとって自然の厳しさや収穫の気配を感じさせる風でもあります。日常の暮らし、農作業、家族の営み、あるいは吹き抜ける風の孤独感や力強さなど、生活実感や心情と重ね合わせると深い句になります。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 色彩の対比語:青空、夕日、葉裏の白、土色、暮色など
  • 生活・情景の言葉:畑、畦道、土埃、日暮れ、農具、家路など
  • 動き・感覚を表す言葉:翻る、波打つ、吹きつのる、ざわめく、冷たきなど

芋嵐」の俳句例 (3件)

芋嵐夕日ひそかに燃えにけり
水原秋桜子【現代語訳】吹き荒れる芋嵐のなか、沈みゆく夕日が静かに、しかし鮮烈に燃え盛っていることだ。 【鑑賞】激しく吹きすさぶ風と、沈黙のうちに赤く空を染める夕日との対比が鮮やかです。動的な嵐と静的な燃焼を重ねることで、秋の深まりゆく一瞬の美しさと迫力を見事に描き出しています。
芋嵐子を叱る声風の中
石田波郷【現代語訳】芋嵐が激しく吹き荒れるなか、子どもを叱る母親の声が風にかき消されそうに響いている。 【鑑賞】吹き荒れる風の音の中に日常の生活音である「子を叱る声」を捉えた、生活感と臨場感にあふれる一句です。厳しい秋の風と素朴な人の営みが重なり合い、情景が生き生きと立ち上がります。
芋嵐わが背に山を負ふごとし
相馬遷子【現代語訳】激しく吹きつける芋嵐の中に立っていると、まるで自分の背中に険しい山をまるごと背負っているかのように圧倒される。 【鑑賞】山間部で病と向き合いながら生きた作者の実感がこもった句です。吹き抜ける芋嵐のすさまじい風圧と、自身の背後にそびえる山の存在感を一体として受け止める力強い表現が胸を打ちます。

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