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相馬遷子

そうませんし

作風・特徴

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代表句 (5件)

黄落期大仏の掌に届きけり
季語: 黄落期 (autumn)
【現代語訳】木々の葉が黄色く散る季節、一枚の落ち葉(あるいは差し込む光)が大仏の開いた掌の上に舞い落ちて届いた。 【鑑賞】無心に散りゆく黄葉が、静止した大仏の大きな掌に受け止められる瞬間を描いた句です。悠久の仏性と、はかなく散る自然の営みが見事に対比され、静謐で深い精神性を漂わせています。
芋嵐わが背に山を負ふごとし
季語: 芋嵐 (autumn)
【現代語訳】激しく吹きつける芋嵐の中に立っていると、まるで自分の背中に険しい山をまるごと背負っているかのように圧倒される。 【鑑賞】山間部で病と向き合いながら生きた作者の実感がこもった句です。吹き抜ける芋嵐のすさまじい風圧と、自身の背後にそびえる山の存在感を一体として受け止める力強い表現が胸を打ちます。
秋天へそそり立つもの皆痛し
季語: 秋天 (autumn)
【現代語訳】どこまでも高く澄み渡る秋の空へ向かって鋭くそそり立つものは、どれも胸が痛むほど切実に見える。【鑑賞】病を抱えながら生きた作者が、秋天の圧倒的な高さと透明感の中に身を置き、山や木々などの屹立する姿に自身の研ぎ澄まされた命の痛覚を重ね合わせた、厳しくも美しい句です。
守護天使われを離れず秋深む
季語: 守護の天使の祝日 (autumn)
【現代語訳】秋が次第に深まっていく中、守護の天使は片時も私から離れず見守ってくれている。【鑑賞】医師として結核と闘いながら生きた作者による句です。深まりゆく秋の寂寥感の中で、目に見えぬ守護天使の温かな存在をすぐ傍らに感じ、生かされていることへの静かな祈りと感謝が詠み込まれています。
葡萄柿黒き一枝をもぎにけり
季語: 葡萄柿 (autumn)
【現代語訳】黒ずんだ深い色合いの葡萄柿が実る枝を、手折るように力強くもぎ取った。【鑑賞】葡萄柿特有の黒みがかった色と、晩秋の張り詰めた空気感が「黒き一枝」という引き締まった表現に凝縮されています。「もぎにけり」という潔い動作から、果実の確かな重みと手応え、秋の実りを直接手にした生の実感が力強く響いてきます。