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「単衣(ひとえ)」とは、裏地を付けずに一枚の布で仕立てた和服のことです。旧暦の四月一日に行われていた「更衣(ころもがえ)」において、春までの裏地のある「袷(あわせ)」を脱ぎ、初めて身につける初夏から仲夏にかけての衣服として定着しました。五月や六月の青葉の季節、まだ真夏のような酷暑ではない時期に、風をふわりと通す軽やかな着心地が特徴です。季節の移ろいとともに、心身が解き放たれる初夏の爽やかさを象徴する季語です。
単衣を詠む際は、視覚的な美しさだけでなく、肌に触れる布の感触や風の通り抜ける涼感といった「触覚」を捉えるのが一番の近道です。重い着物を脱ぎ捨てて単衣を羽織ったときの「身軽さ」や、背筋がすっと伸びるような所作、衣擦れの微かな音に注目してみましょう。また、藍染めや縞模様などの布地の表情、袖を通す人の佇まいを取り合わせることで、初夏らしい清々しい生活感が生き生きと立ち現れます。
初夏の風物や、季節を問わない日常の言葉とよく馴染みます。なお、他の季節の言葉が混ざらないよう注意しましょう。 ・風や光の描写:薫風、青嵐、初夏の風、日差し ・着物の部分や動作:袂(たもと)、裾(すそ)、衣擦れ、羽織る、鏡 ・質感や色彩:藍(あい)、縞(しま)、麻、木綿、身軽
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風に籠れる
鹿のこゑ
青沼に
若き日の我
もみじ狩り
吾も世も
秋を抱ける
明日かな
風の背を
追うて紅葉の
散り頻る
前線が
流るる列島
紅葉染め
街路樹の
露弾き飛ぶ
紅葉狩り