昼花火

昼花火

ひるはなび

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意味・由来

「昼花火(ひるはなび)」とは、秋の運動会や地域の祭礼、祝賀行事などの合図として日中に打ち上げられる花火のことです。夜空を彩る光を楽しむ夜の花火とは異なり、昼花火は「ドン」という乾いた破裂音の響きや、青空にふわりと広がる白煙、煙輪、あるいはパラシュートを楽しむのが大きな特徴です。澄み渡る秋晴れの空に打ち上げられることが多く、賑やかな行事の訪れを告げると同時に、どこか乾いた哀愁や長閑さを感じさせることから、生活や時候に関わる秋の季語として親しまれています。

この季語で詠むコツ

花火を詠む際は、「音」「煙」、そしてそれを受け止める「秋の大空」に意識を向けるのがコツです。夜花火のような華麗な色彩がない分、音だけが町中に響き渡る聴覚的描写や、ぽっかりと浮かんだ白煙が風に流れて消えていく儚い視覚的変化に着目すると深みが生まれます。また、運動会や秋祭りの高揚感を描くほか、花火を見上げる人々の日常や、音が去ったあとの静けさとの対比(静と動の落差)を意識すると効果的です。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 天空・気象の言葉:秋晴(あきばれ)、青天、澄む、天高し、秋風
  • 音や煙の描写:白煙、一朶(いちだ)、号砲、ひびき、こだま
  • 行事・生活の場面:運動会、村祭、校庭、遠音、昼下がり

昼花火」の俳句例 (3件)

昼花火空のひろさを知らしめつ
加藤楸邨【現代語訳】昼花火が鳴り響いたことで、かえって秋の青空の広大さが強く心に知らされた。 【鑑賞】澄み渡る大空に昼花火の鋭い轟音と一抹の煙が生じた瞬間、何もなかった空間の無限の広がりが鮮明に立ち上がります。音の余韻と視覚の広がりを結びつけた、楸邨らしい力強い捉え方の名句です。
昼花火青天を撃ち消えにけり
西東三鬼【現代語訳】昼花火が秋の青空を撃ち抜くように鳴り響き、あっけなく煙となって消えてしまった。 【鑑賞】「青天を撃ち」という鋭利な動詞の選び方に、三鬼独特の緊張感とモダンな感性が光ります。一瞬の激しい爆発と、その直後に訪れる秋晴れの虚無的な静寂との落差が見事に表現されています。
昼花火青空きりりとひきしまり
中村汀女【現代語訳】昼花火の音が破裂すると、秋の青空が一段ときりりと引き締まった。 【鑑賞】運動会や祝祭の合図である昼花火の一撃によって、秋特有の澄んだ空気がより一層引き締まる心地よさを詠んでいます。生活に根ざした明るい感性と、秋の気配の清々しさが素直に伝わる一句です。

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