引分使

引分使

ひきわけづかい

俳句びと 公式スマートフォンSNS

あなたの句を、世界に届けよう

季語辞典で見つけた素敵な言葉を使って、今日の一句を詠んでみませんか?無料で投稿でき、他の愛好家と交流できます。

意味・由来

「引分使(ひきわけづかい)」は、旧暦八月十五日に行われる京都・石清水八幡宮の放生会(ほうじょうえ、現在の石清水祭)に際し、朝廷の命を受けて派遣された使者のことです。石清水八幡宮の放生会は、賀茂神社の葵祭、春日大社の春日祭と並ぶ三勅祭の一つであり、神事の進行や南座・北座を分担・指図するなどの重要な役目を担っていました。仲秋の名月の夜半から未明にかけて厳粛に執り行われる行事であるため、平安の昔から続く王朝の雅やかな儀礼の気配と、秋の澄み切った月夜の情景を象徴する季語として詠み継がれてきました。

この季語で詠むコツ

放生会が旧暦八月十五日の夜から明け方にかけて斎行されることから、「月夜」「川瀬」「夜気」など、夜の冷涼で厳粛な空気感と響き合わせるのが効果的です。使者の行列が進む男山(八幡山)の自然や、使者が掲げる松明・提灯の灯火、水辺を渡る足音や馬の鈴の音など、五感に訴えかける情景を組み合わせると、歴史の重みと臨場感が引き立ちます。大仰になりすぎず、静寂の中に動く一行の気配を描くことがポイントです。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 地理・自然:男山、淀川、川瀬、名月、月影、夜寒、露
  • 神事・道具:提灯、松明、馬の鈴、装束、石段
  • 動詞・情態:渡る、下る、越ゆ、ほのめく、厳かに、更けゆく

引分使」の俳句例 (3件)

引分使提灯の火のともりけり
高井几董【現代語訳】放生会の引分使の列に、夜の訪れとともに提灯の明かりがぽっと灯されたことだ。【鑑賞】日暮れから夜の神事へと移り変わる瞬間の緊張感を、提灯の明かりという具体的な光によって鮮やかに描き出しています。秋の宵闇の深まりと、儀礼に向かう人々の張り詰めた空気が、素朴ながらも味わい深く表現されています。
引分使川瀬の月に渡りけり
松岡青蘿【現代語訳】引分使の一行が、中秋の名月が冴え冴えと照らす川瀬を静かに渡っていったことだ。【鑑賞】石清水八幡宮の放生会へと向かう神聖な使者の姿を捉えた名句です。秋の澄み渡る月光が川面を照らし、浅瀬を踏んで進む一行の厳粛な気配が目に浮かびます。古典的な雅びと、秋の夜のひんやりとした静けさが見事に調和しています。
引分使山越えて行く月夜かな
正岡子規【現代語訳】引分使の一行が、男山の峰を越えて進んでいく、明るく澄み渡った名月の夜であることよ。【鑑賞】仲秋の名月の下、神事のために山路をたどる使者の行列を、素直かつ雄大な視点で詠み切っています。簡潔な叙景の中に、古式ゆかしい儀礼の厳かさと、夜空を満たす秋月の清らかな光の広がりが美しく息づいています。

みんなの「引分使」の詠み(人気順)

この季語を使った人気の投稿はまだありません。

みんなの「引分使」の詠み(新着)

この季語を使った「みんなの詠み」はまだありません。

あなたが最初の1句を詠んでみませんか?

関連する「」の季語