隼人瓜

隼人瓜

はやとうり

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意味・由来

隼人瓜(はやとうり)は、熱帯アメリカ原産のウリ科のつる性多年草になる実で、秋の季語です。大正時代に鹿児島県(薩摩・隼人の地)に導入され、そこから全国へと栽培が広がったことからこの名がつきました。洋ナシのような形で表面に縦の溝や凹凸があり、淡い緑色または白色をしています。生命力が強く、一つの株からたくさんの実が棚一面にぶら下がる姿が晩秋の風物詩です。淡白な味わいで歯切れがよく、粕漬けや浅漬け、炒め物などの家庭料理として親しまれています。

この季語で詠むコツ

隼人瓜を詠む際は、棚から重そうにぶら下がっているユーモラスで素朴な姿や、ごつごつとした独特の質感に注目するのがコツです。また、収穫してもぎ取ったときの「重み」や「音」、手のひらに伝わる肌触りなど、触覚や聴覚を交えるとリアリティが生まれます。晩秋のやわらかな日差しや、静かな庭先の風情と取り合わせることで、実りの季節の温もりや少しの寂寥感を表現できます。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 棚・竹棚・庭先・軒端(実がぶら下がる場所や棚の様子)
  • ぶら下がる・もぐ・手の平・重き(形状や収穫の手応え)
  • 秋日・日ざし・日だまり・静けさ(晩秋の穏やかな空気感)

隼人瓜」の俳句例 (3件)

隼人瓜ぶら下りゐる静けさよ
清崎敏郎【現代語訳】棚から隼人瓜がいくつもぶら下がっている。その光景のなんと静かで穏やかなことだろうか。 【鑑賞】棚の下に垂れ下がる隼人瓜の実の重たげな存在感と、庭先の静寂を見事に対比させた一句です。動かない瓜の姿が、かえって秋の深まりゆく時間の静けさを際立たせています。
隼人瓜日ざしのなかにぶら下る
星野立子【現代語訳】やわらかな秋の光の中に、隼人瓜がのんびりとぶら下がっている。 【鑑賞】女性俳人・星野立子らしい、素直で写生に徹した温かみのある句です。秋の澄んだ日差しと棚から垂れるユニークな実の姿が素朴に描かれ、日常のなかの長閑(のどか)な美しさが捉えられています。
隼人瓜もぎたるあとの明るさよ
右城暮石【現代語訳】棚に茂っていた隼人瓜をもぎ取ったあと、棚の下へすっと光が差し込んできて明るくなったことだ。 【鑑賞】大きな実をもぎ取ったことによる視覚的な変化(光の入り具合)を鮮やかに詠みとめています。実の重みが消えた開放感と、秋の日の差し込む明るさが心地よく響き合う秀句です。

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