荷飯

荷飯

はすめし

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意味・由来

「荷飯(はすめし)」とは、蓮の葉にご飯を包んで蒸したり、器に蓮の葉を敷いて炊きたてのご飯を盛ったりした料理のことです。「荷」は蓮(ハス)の葉を意味します。熱によって蓮の葉の青々とした清らかな香りがご飯に移り、さっぱりとした独特の風味が味わえます。古くは仏教の盂蘭盆会(お盆)の供物や儀礼の食として用いられたほか、蓮見の舟遊びや寺社巡りの行楽弁当としても親しまれました。初秋の季語であり、夏の暑さが残る時期に涼感と風情を届けてくれる伝統的な季節の味覚です。

この季語で詠むコツ

荷飯を詠む際は、蓮の葉の持つ「清々しい香り」や「鮮やかな緑色」、そして包みを開いたときの「湯気やぬくもり」といった五感を意識することがポイントです。料理そのものの描写だけでなく、蓮池の水音や吹き抜ける涼風、朝の澄んだ光など、水辺や台所(厨)の情景を取り合わせることで、初秋ならではの透明感ある情緒を引き出すことができます。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 嗅覚・触覚:青き香、露、湯気、ほどく、結ぶ、包む
  • 場所・空間:池、水辺、厨(くりや)、朝戸、寺、客殿、舟
  • 時間・気象:朝風、秋風、朝晴れ、水音

荷飯」の俳句例 (3件)

荷飯や朝戸をあけて池の音
炭太祇【現代語訳】蓮飯の用意をしている朝、戸を開け放つと、庭の池から涼やかな水音が聞こえてくることだ。【鑑賞】蓮飯の持つ清々しい香りと、朝の戸口から届く池の水音が呼応し、初秋の澄んだ空気感を五感で見事に捉えています。清貧にして風流な暮らしぶりが伝わる名句です。
蓮飯や厨に立てば池の風
正岡子規【現代語訳】蓮飯を準備しようと台所に立つと、すぐそばの池から爽やかな風が吹き寄せてくる。【鑑賞】蓮飯を用意する動作に、蓮池から渡ってくる涼風をストレートに取り合わせた写生句です。視覚・嗅覚・触覚が一体となり、蓮の涼味が空間全体に広がっていくような心地よさがあります。
荷飯に風吹きとほる厨かな
夏目成美【現代語訳】蓮飯を仕立てている台所を、初秋の涼しい風が吹き抜けていくことよ。【鑑賞】「厨(台所)」という生活の場に、蓮の葉の青い香りと秋の風が通り抜けていく爽快感を写し出しています。日常の家事のひとコマに宿る涼やかな季節感を品よく詠み上げています。

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