はじかみ

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意味・由来 「薑(はじかみ)」とは、生姜(しょうが)の古い呼び名です。古くは山椒を「ふさはじかみ」、生姜を「くれのはじかみ」と呼んで区別していましたが、単に「はじかみ」と言えば生姜を指すことが一般的です。秋に掘り出される新ショウガのみずみずしさと、口に含んだときに広がる独特の鋭い辛味や爽やかな香気は、古くから食卓に秋の訪れを告げるものとして親しまれてきました。 ### この季語で詠むコツ 薑の持ち味は、なんといってもその鮮烈な「辛味」と「香り」、そして赤や白の美しい「色彩」です。五感を刺激する素材ですので、味覚や嗅覚を想起させる描写を取り入れると句がいっそう引き立ちます。また、焼き魚のあしらいや吸い物の薬味など、日常の慎ましい食膳の風景とともに描くことで、初秋から仲秋にかけての澄んだ空気感や暮らしの落ち着きを巧みに表現できます。 ### 相性のいい言葉・取り合わせ 【食に関する言葉】吸物、小鯛、白魚、箸、折敷(おしき)、膳 【五感・情景に関する言葉】辛し、赤し、白し、風、夕立、野分(のわき)、雨

」の俳句例 (3件)

はじかみや折敷の上の二葉三葉
松尾芭蕉【現代語訳】薑が、質素な折敷の膳の上にちょこんと二葉、三葉ほど添えられていることだ。【鑑賞】お盆(折敷)の上に供されたわずかな薑の葉や芽の姿に、清貧でありながら風流な秋の風情を見出している一句です。無駄のない描写の中に、生姜の爽やかな香気と侘び住まいの静けさが漂います。
はじかみや野分あとの小鯛の吸物
与謝蕪村【現代語訳】台風が過ぎ去ったあとの膳に、薑を添えた小鯛の吸い物が出されている。【鑑賞】激しい野分(台風)が吹き荒れた後の、急に静まり返った秋のひとときを描いています。小鯛の吸物に添えられたはじかみのピリッとした辛味と香りが、嵐の後の澄んだ空気と安堵感を鮮やかに引き立てています。
はじかみや膳に向へば秋の風
正岡子規【現代語訳】薑の添えられた膳に向き合っていると、どこからともなく涼やかな秋の風が吹き抜けていく。【鑑賞】病床にありながらも季節の食を愛した子規らしい素直な作です。食卓の薑のすっきりとした辛味と、肌をなでる初秋の風の涼しさが心地よく響き合っており、爽快な秋の実感が素朴に伝わってきます。

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