銀湾
autumn 生活

銀湾

ぎんわん

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意味・由来

「銀湾(ぎんわん)」とは、澄みわたる秋の月光が海面に降り注ぎ、まるで銀色に輝いて見える湾(入り江)のことを指す季語です。漢詩的な趣を持つ優雅でロマンチックな言葉であり、秋の澄んだ大気と、冴えわたる月の光、そして穏やかな波が一体となった美しい夜の海景を想起させます。広大な海全体というよりも、陸地に囲まれた穏やかな「湾」だからこそ、月光が一面に敷き詰められたような眩い光の広がりが強調されます。

この季語で詠むコツ

「銀湾」自体に「月光に照らされた夜の湾」という意味が含まれているため、句の中に「月」や「夜」を直接詠み込まなくても情景が十分に伝わります。あえて直接的な言葉を避け、港の灯火、停泊する船の影、静かに寄せる波音、岬の稜線など、周囲の具体的な景物を描き出すことで、銀色に輝く海との美しいコントラストを際立たせることができます。

相性のいい言葉・取り合わせ

・港や船に関する言葉(碇、舳先、白帆、波止場、漁火など) ・地形や夜の情景(岬、島影、岩礁、静寂、潮鳴りなど) ・動きや感覚を表す言葉(凪ぐ、ひろごる、澄む、冴ゆるなど)

銀湾」の俳句例 (3件)

銀湾に船呼び交す秋の夜
詠み人知らず【現代語訳】月光に銀色と輝く湾の上で、行き交う船同士が声を掛け合っている、澄み切った秋の夜であることよ。 【鑑賞】秋の月光に照らされてきらめく静かな入り江に、船乗りたちの声が心地よく響き渡る情景を詠んだ一句です。視覚的な銀湾の美しさに加えて、聴覚的な人の営みの響きを取り入れることで、情緒豊かで立体感のある秋の夜景が見事に表現されています。
銀湾の底照りてゐる秋の潮
能村登四郎【現代語訳】月光を受けて銀色に輝く湾の、その海底までもが透き通って光っているかのような秋の潮である。 【鑑賞】秋の澄みきった潮水と月の光の透明感を深く捉えた句です。海面だけでなく「底照りて」と海底にまで意識を届かせることで、銀湾の持つ清冽さと圧倒的な光の浸透感を余すところなく伝えています。
銀湾へ流るる川の月夜かな
角川源義【現代語訳】月光に輝く銀色の湾へと静かに注ぎ込んでいく川の、なんと美しい月夜であることよ。 【鑑賞】川の流れを辿った視線が、広大に広がる銀色の海へと解き放たれるダイナミックな空間構成が魅力です。陸を流れる川と月光をたたえる湾の一体感が、秋の夜の雄大な静寂と美しさを際立たせています。

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