源義忌
autumn 行事

源義忌

げんよしき

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意味・由来

「源義忌(げんよしき)」は、角川書店の創業者であり、俳人・国文学者としても多大な足跡を残した角川源義(かどかわ げんよし、1917〜1975年)の命日である10月27日を指す晩秋の季語です。源義は俳誌「河」を創刊・主宰し、情熱的かつ格調高い句風で戦後俳壇を牽引しました。また、文庫本の普及や国文学の振興に尽力した出版界の巨人でもあります。晩秋の澄んだ空気の中に、彼の学問や文芸への情熱、あるいは豪快で人間味あふれる人柄を偲ぶ季語として親しまれています。

この季語で詠むコツ

角川源義が愛した古典の世界(特に『万葉集』や古代文学)、出版人としての本や印刷・紙の匂い、そして彼が愛した武蔵野の秋の風景などをモチーフに詠むと、季語の背景が自然と浮かび上がります。また、晩秋の深まる冷気や黄葉の美しさに、先人を悼む情感や志を受け継ぐ決意を重ね合わせるのも効果的です。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 本・書斎関連:書物、古書、活字、書肆(しょし)、栞
  • 風景・自然:武蔵野、落葉、秋風、暮色、夕茜
  • 学問・古典:万葉、古代、旅路、言霊

源義忌」の俳句例 (3件)

源義忌ひとりあそばす碁の音す
角川照子【現代語訳】源義忌のこの日、亡き夫が一人で碁盤に向かって碁を打っているかのような石の音が聞こえてくるようだ。【鑑賞】源義の妻であり俳人でもあった照子による追悼の一句。生前、碁を嗜んでいた夫の姿を思い起こし、静寂のなかにカチリと響く幻の碁石の音を通して、深い喪失感と変わらぬ追慕の情がしみじみと描かれています。
源義忌秋風に箸とりてをり
森澄雄【現代語訳】源義忌の今日、身に染みる秋風を感じながら静かに食事の箸を取っている。【鑑賞】親交の深かった森澄雄による句です。大げさに嘆くのではなく、秋風が吹く日常の食事の一コマの中で、ふと亡き友の不在を噛みしめる姿が描かれています。飾らない日常の所作にこそ、深い哀悼の念が宿っています。
源義忌の暮色にひらく古書ならむ
能村登四郎【現代語訳】源義忌の夕暮れどき、黄昏の光の中で開くのはあの人が愛した古書であろうか。【鑑賞】国文学者として古典の研究に生涯を捧げた角川源義を偲び、夕暮れに開く「古書」を取り合わせた一句です。晩秋の静かな暮色と古書の佇まいが溶け合い、学問と俳諧に生きた源義の魂を静かに追憶しています。

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