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「古巣(ふるす)」は、鳥たちが前年以前に作った古い巣のことを指す春の季語です。春になると、渡り鳥である燕が海を越えて戻ってきたり、雀などがかつて使っていた巣を手入れして再び産卵や子育ての準備を始めます。厳しい冬を越えて、再び命を育む場として蘇る巣の様子や、主を待つ空の巣の佇まいに、春の訪れと生命の循環、時の移ろいを感じ取ることができます。
鳥が戻ってきて古巣を泥や藁で繕っている生き生きとした姿を捉えるか、あるいは鳥の姿が見当たらない静かな巣に春の光が差し込む情景を描くかで、句の風情が大きく変わります。「古巣」という言葉自体に過去の時間や懐かしさが宿っているため、過度に哀傷を強調せず、軒下や大梁、土壁といった具体的な場所の情景と淡々と組み合わせることで、かえって深い余韻を生み出すことができます。
・場所を表す言葉:軒下、梁(はり)、土塀、玄関、古寺 ・鳥の仕草・情景:繕ふ(つくろう)、戻る、見上ぐ、こぼるる土 ・春の気配:春風、春日(はるひ)、春雨、うららか
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