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「富士牛蒡(ふじごぼう)」は、キク科の多年草「フジアザミ」の根、またはそれを漬物や煮物などの食用に加工したものを指す秋の季語です。フジアザミは富士山麓やその周辺の火山砂礫地に多く自生し、日本産のアザミの中で最も大きな紅紫色の花をややうつむき加減に咲かせます。その地下にある根が牛蒡のように太く育ち、繊維質で特有の野趣と豊かな風味を持つことから「富士牛蒡」と呼ばれ、富士山周辺の郷土の味覚・名物として古くから親しまれてきました。
富士牛蒡を詠む際は、霊峰・富士の荒々しくも雄大な大自然の気配と、大地の恵みとしての素朴な力強さを意識することがポイントです。砂礫地で深く根を張る植物であるため、掘り出す際の富士特有の火山灰・スコリアの砂煙や手触り、あるいは茶店や土産物屋で漬物として売られている情景、歯ごたえや風味といった味覚・嗅覚に焦点を当てると、五感に訴える生き生きとした句になります。
・風土・自然を捉える言葉:砂礫(されき)、火山灰、スコリア、山颪(やまおろし)、青嶺、雲海 ・動作や手触りを表す言葉:掘る、噛む、削ぐ、砂こぼる、土の香 ・旅や生活の言葉:茶店、味噌漬、土間、野趣、夕餉
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