鳥風

鳥風

ちょうふう

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意味・由来\n「鳥風(ちょうふう)」とは、秋に北方から渡り鳥が日本へ渡ってくるときに吹く風のことです。鳥たちがこの風に乗ってやってくるように感じられることから名付けられました。同様の季語に「鳥渡る(とりわたる)」や「鳥渡し(とりわたし)」がありますが、「鳥風」は鳥そのものの姿だけでなく、風そのものの気配や肌寒さ、秋が深まりゆく大気の清澄さを際立たせる趣深い季語です。\n\n### この季語で詠むコツ\n単に鳥を見上げて詠むのではなく、風が吹き抜ける地上の情景や、風の冷たさ・爽やかさを五感で捉えるのがコツです。山あいや海岸、田畑など、風の通り道となる開放的な空間を描くと、渡り鳥の壮大な旅路と季節の移ろいが生き生きと伝わります。また、初秋から仲秋へ、仲秋から晩秋へと季節が進む微細な空気の変化を意識してみましょう。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n風の動きや秋の広がりを際立たせる言葉と好相性です。\n- 地形・場所:岬、尾根、棚田、海、空、古寺\n- 色彩・植物:薄(すすき)、水引草、紅葉、群青、茜\n- 動作・感覚:渡る、吹き抜く、澄む、ひびく、影

鳥風」の俳句例 (3件)

鳥風や土に還らぬものばかり
飯田龍太【現代語訳】渡り鳥を運ぶ秋風が吹き抜けていく。ふとあたりを見渡せば、土に還ることのない人工のものばかりが目につくことだ。【鑑賞】生命の循環を象徴する渡り鳥の風と、朽ちることなく土にも還らない人工物との対比が鮮烈です。澄み渡る秋の風の中で、現代文明の孤独や自然との断絶を深く見つめた厳粛な一句です。
鳥風や海へせり出す棚畠
森澄雄【現代語訳】鳥を渡らせる秋の風が吹くなか、海に向かってせり出すように段々の畑が広がっている。【鑑賞】鳥風が吹き抜ける雄大な自然と、そこに根ざして暮らす人々の営みを一枚の絵画のように切り取った句です。海の青さと棚畠の起伏、そして吹き渡る風の冷涼感が立体的に立ち上がってきます。
鳥風に水引草の朱の走る
角川春樹【現代語訳】渡り鳥を導く秋風が吹き渡り、その風に揺れて水引草の鮮やかな赤い花穂が風の軌跡のように走る。【鑑賞】目に見えない「風」を、細く繊細な水引草の赤い穂の揺れによって鮮やかに可視化しています。秋の冷涼な大気と、草の朱色の鮮烈なコントラストが美しく印象的な作品です。

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