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「厚岸草(あっけしそう)」は、ヒユ科(旧アカザ科)の塩生植物で、秋の季語です。北海道の厚岸(あっけし)湾の干潟で最初に発見されたことからこの名が付きました。塩分の多い湿地や干潟に群生し、秋になると茎や枝が葉緑素を失って鮮やかな深紅色に紅葉します。その赤く美しい姿から「珊瑚草(さんごそう)」という別名でも広く親しまれており、北海道のサロマ湖や能取湖(のとろこ)などの群生地では、秋になるとまるで赤い絨毯を敷き詰めたような壮大な景観が広がります。
厚岸草を詠む際は、北国の湿原や干潟という「広大で厳しい自然」と、そこに広がる「鮮烈な赤の色彩」の対比を描くのがポイントです。単に植物の形を追うだけでなく、引いてゆく潮、寄せる波、北国の澄んだ青空や夕日の光など、周囲の雄大な風土とともに捉えることで、句に力強い広がりと情感が生まれます。晩秋の静寂や寂寥感を引き立たせる素材としても効果的です。
・水や地形を表す言葉:潮、渚、湿原、オホーツク、夕映え ・色彩・光を表す言葉:紅(くれない)、茜(あかね)、夕日、照り映ゆ、深紅 ・気候・情感を表す言葉:果てしなき、寂けさ、群れて