蘆刈女

蘆刈女

あしかりめ

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意味・由来

「蘆刈女(あしかりめ)」とは、秋に水辺で蘆(あし)を刈り取る作業をする女性のことです。古代より摂津国の難波江(現在の大阪湾沿岸部)などは蘆の群生地として名高く、歌枕としても親しまれてきました。能の演目『芦刈』に代表されるように、蘆を刈って生活を立てる人々の哀歓や風情は王朝和歌以来の伝統的な美意識と結びついています。単なる農作業・水辺の労働風景にとどまらず、秋のうら寂しさ、水辺の夕暮れの哀愁、慎ましく働く女性の凛とした姿を象徴する趣深い季語です。

この季語で詠むコツ

水辺の情景(小舟、波、川風、夕日など)と組み合わせることで、一幅の絵画のような詩情を生み出すことができます。女性の笠や着物の動き、刈り取った蘆の束を舟に積む仕草など、具体的な動作を描写すると情景が鮮やかに立ち上がります。また、古典的な哀愁を意識しつつも、現代の視点で労働の厳しさや水辺の清々しさを重ねて詠むのも効果的です。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 水辺の景物:難波江(なにわえ)、小舟、水尾(みお)、波音、川風
  • 時間・光:夕日、夕暮れ、秋気、夕靄(ゆうもや)
  • 人物の装具・仕草:菅笠(すげがさ)、鎌、束ねる、舟漕ぐ

蘆刈女」の俳句例 (3件)

蘆刈女舟にうづくまる夕日かな
与謝蕪村【現代語訳】蘆を刈る女性が小舟の中に身をかがめてうずくまっているところに、秋の夕日が美しくも寂しく照り映えていることだ。【鑑賞】一日中蘆を刈り終えた女性の疲労感と、水辺の夕景が一体となった絵画的な名句です。蕪村ならではの古典的情緒と夕日の色彩美が見事に調和しています。
蘆刈女舟引きよする夕江かな
正岡子規【現代語訳】蘆を刈る女性が、一日の仕事を終えて舟を夕暮れの入り江へと引き寄せていることだ。【鑑賞】夕暮れ時の静かな入江で、舟を引き寄せる女性の素朴な労働の姿を写生的に捉えています。秋の淡い寂寞感と日常の確かな営みがしみじみと伝わります。
蘆刈の女の笠のうごきけり
高浜虚子【現代語訳】広がる蘆原のなかで、蘆を刈っている女性のかぶる笠がかすかに動いたことだ。【鑑賞】背の高い蘆に遮られて全身は見えないものの、笠のわずかな動きによって人の気配と労働の瞬間を的確に捉えています。虚子らしい客観写生の冴えが光る一句です。

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