青蜜柑

青蜜柑

あおみかん

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意味・由来\n「青蜜柑(あおみかん)」とは、初秋から仲秋にかけて、まだ黄色く熟しきらずに青い皮のまま出回る蜜柑のことです。冬の甘く柔らかな蜜柑とは対照的に、強い酸味とほろ苦さ、そして皮を剥いた瞬間に立ちのぼる鮮烈な柑橘の香りが特徴です。かつては酸っぱさに顔をしかめるものでもありましたが、残暑の残る時期に涼を呼び、爽やかな秋の訪れを五感で実感させてくれる果実として古くから親しまれてきました。\n\n### この季語で詠むコツ\n青蜜柑を詠む際は、視覚的な「青さ・張り」だけでなく、嗅覚や味覚、触覚といった五感をフルに働かせるのがポイントです。皮をむくときに指先に弾ける果汁のしぶきや刺激的な香り、口に含んだときの鮮烈な酸っぱさ、まだ硬く締まった実の重みなどを捉えると、生き生きとした句になります。また、未成熟な果実が持つ「若々しさ」「ほろ苦い青春」「旅情」といった心象風景と結びつけるのも効果的です。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n・感覚を刺激する動詞:もぐ、むく、爪立つ、しぶく、かぐ、掌(てのひら)に受く\n・質感や味覚の言葉:硬き、酸し(すし)、ほろにがし、青き雫、香気\n・情景や感情:旅ごころ、駅舎、通学路、残暑、晴天、幼き日

青蜜柑」の俳句例 (3件)

青蜜柑掌にころがして旅ごころ
石田波郷【現代語訳】青蜜柑を手の中に転がしていると、ふと遠くへ旅に出たいという気持ちが湧いてくる。\n【鑑賞】まだ青く固い蜜柑の感触を掌で味わいながら、旅への憧れを募らせている句です。青蜜柑の持つ清々しい香りと未熟な果実の刺激が、日常を離れてどこかへ向かいたいという若々しい旅情を心地よく誘い出しています。
青蜜柑爪立てて酸き匂ひかな
篠原梵【現代語訳】まだ青く硬い蜜柑の皮に爪を立てると、ツンと鼻を突くような酸っぱい香りが立ちのぼってきたことだ。\n【鑑賞】硬い青蜜柑の皮に爪を食い込ませた瞬間、鋭い果汁とともに鮮烈な香気が広がる様子を克明に捉えています。触覚と嗅覚を通じて、秋の始まりの新鮮な空気を読者に鮮やかに追体験させる力強い写生句です。
青蜜柑むくやしぶきに風たちて
西島麦南【現代語訳】青蜜柑の皮を剥くと、プシュッと飛び散る果汁のしぶきとともに、爽やかな秋風がすっと吹き抜けていった。\n【鑑賞】青蜜柑を剥いた瞬間に弾ける微細なしぶきと、そこに吹き寄せる秋の風が重なり合う瞬間を美しく捉えています。柑橘の爽やかな香りと涼風の一体感が、初秋の澄んだ空気感を余すところなく伝えています。

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