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季語辞典
西島麦南
俳
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西島麦南
にしじまばくなん
作風・特徴
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代表句 (6件)
凶作の村の静かさ夜の月
季語: 凶作 (autumn)
『【現代語訳】凶作となった村はひっそりと静まり返っており、秋の澄んだ夜月がただむなしく照らしている。 【鑑賞】収穫の喜びに沸くことのない村の夜を、澄み渡る月光が照らす情景です。人間の悲哀や無力感とは無関係に冴え渡る月の美しさが、かえって村の静けさと失望の深さを際立たせています。』
牛蒡引く影のびてゐる夕日かな
季語: 牛蒡引く (autumn)
『【現代語訳】牛蒡を懸命に引き抜いていると、西に傾いた夕日によって自分の影が畑の土の上に長く伸びている。【鑑賞】牛蒡掘りに熱中しているうちに傾いた夕日が、作業する人の影を長く地面に映し出しています。大地の土と夕暮れの光、そして黙々と働く人の姿が一体となった、秋の農村の哀愁と静けさが美しく描かれた一句です。』
青蜜柑むくやしぶきに風たちて
季語: 青蜜柑 (autumn)
『【現代語訳】青蜜柑の皮を剥くと、プシュッと飛び散る果汁のしぶきとともに、爽やかな秋風がすっと吹き抜けていった。\n【鑑賞】青蜜柑を剥いた瞬間に弾ける微細なしぶきと、そこに吹き寄せる秋の風が重なり合う瞬間を美しく捉えています。柑橘の爽やかな香りと涼風の一体感が、初秋の澄んだ空気感を余すところなく伝えています。』
油菊咲いて日和の定まらぬ
季語: 油菊 (autumn)
『【現代語訳】油菊が咲く季節になり、秋の空模様は晴れたり曇ったりと定まらない。【鑑賞】晩秋の変わりやすい天候(秋筋・時雨模様など)と、野に咲く油菊の取り合わせです。天候が不安定な日々の中で、小さくてもひたむきに黄色い花を咲かせる油菊の姿が、季節の移ろいとともに鮮明に浮かび上がります。』
上弦の月を仰ぎて坂くだる
季語: 上弦の月 (autumn)
『【現代語訳】空に浮かぶ上弦の月を見上げながら、夜の坂道をゆっくりと下っていく。\n【鑑賞】下り坂を進みながらも視線は高く清らかな月へと向けられています。弓のように凛と張りつめた月影と、歩を進める作者の静かな息づかいが調和し、秋の夜の心地よい孤独感と清涼感を伝えています。』
吊舟草咲きみだれたる峡の雨
季語: 吊船草 (autumn)
『【現代語訳】深い谷あいに雨が降りしきる中、ツリフネソウの花が一面に咲き乱れている。\n【鑑賞】険しい峡谷の薄暗い雨景色と、そこに群れ咲くツリフネソウの対比が鮮烈です。雨煙る幽邃な自然の中で、独特の舟形の花々が健気に咲き競う生命の輝きを捉えています。』
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