青松虫

青松虫

あおまつむし

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意味・由来

青松虫(アオマツムシ)は、秋の夜に樹上で「リーリーリー」と甲高く美しい声で鳴く、バッタ目マツムシ科の昆虫です。全身が鮮やかな緑色をしていることからその名がつきました。明治時代に中国から渡来した帰化昆虫とされ、現代では都市部の街路樹や庭木、公園の木々にも広く定着しています。普通のマツムシやスズムシが草むらや地表近くで鳴くのに対し、青松虫は梢(高い木の枝先)に棲み、夜になると木の上から降り注ぐような大合唱を響かせるのが大きな特徴です。

この季語で詠むコツ

青松虫の最大の特徴は「樹上から鳴き声が降ってくる」という立体感と、現代的な都会の風景にも溶け込んでいる点にあります。街灯の光、ビルの谷間の街路樹、夜の車道といった人工的な都市風景と対比させると、鮮やかな情景が立ち上がります。また、地表の虫の音とは異なる「頭上から響く鋭く澄んだ声の圧」や、緑色の美しい姿に視点を当てるのも効果的です。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 樹木・空間に関する言葉:梢(こずえ)、街路樹、プラタナス、高み、夜空
  • 人工物・都市に関する言葉:街灯、ネオン、歩道橋、アスファルト、窓明かり
  • 聴覚・感覚に関する言葉:降り注ぐ、しじま、澄む、すだく、降る

青松虫」の俳句例 (3件)

水落つる音にまぎるる青松虫
山口青邨【現代語訳】水が流れ落ちる音に紛れ込むようにして、青松虫の声が微かに、しかし確かに響いている。 【鑑賞】水音という持続的な環境音の中に、高らかに鳴く青松虫の声が溶け合っている風情を捉えています。聴覚を研ぎ澄ますことで、水音の隙間から立ち現れる秋の虫の美しさが際立ちます。
梢より降りて草にも青松虫
水原秋桜子【現代語訳】樹上の梢で鳴いていた青松虫が、下へと降りてきて草むらの中でも鳴いている。 【鑑賞】青松虫は本来高い木の梢を好む虫ですが、時に草むらへ降りて鳴くことがあります。その生態の意外な一瞬を的確にとらえ、夜の庭や野の立体的な広がりと秋の深まりを静かに描き出した一句です。
青松虫梢の闇を細かくす
能村登四郎【現代語訳】青松虫の鋭く高い鳴き声が、夜の梢を包む深い闇を細かく切り刻み、震わせているようだ。 【鑑賞】樹上の暗がりから響く青松虫の連続音を、「闇を細かくす」と表現した詩情豊かな把握です。目に見えない音の振動が、夜の闇そのものを細やかな粒子に変えていくかのような感覚を鮮烈に伝えています。

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