姉羽鶴

姉羽鶴

あねはづる

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意味・由来

「姉羽鶴(あねはづる)」は、ツル目ツル科に属する鳥で、ツル類の中ではもっとも小柄な種類です。頭部から胸元にかけて垂れ下がる白く美しい飾り羽があり、その優美で気品ある佇まいから「姉羽鶴」の名がつけられたといわれています。秋の季語として扱われ、中央アジアからヒマラヤ山脈を越えてインド方面へと渡る過酷な旅をすることで世界的に知られています。日本には稀に迷鳥として飛来することがあり、その小さくも凛とした姿は渡り鳥の切なさと力強さを象徴します。

この季語で詠むコツ

姉羽鶴を詠む際は、ツル特有の優雅さに加え、ヒマラヤの険しい峰々を越えていく「小さき鳥の強靭な意志」や「天空の過酷さ・孤高感」を意識すると深みが出ます。実景として動物園などで観察した優美な姿を詠むアプローチと、遥かなる高空を旅する雄大で詩情豊かな背景を描き出すアプローチの双方が効果的です。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 空・峰・風(「天空」「ヒマラヤ」「秋風」「嶺」など、高所や渡りの厳しさを表す言葉)
  • 色彩の対比(「紺青」「白雲」「夕茜」など、澄んだ秋空を想起させる言葉)
  • 静けさと澄明感(「澄む」「しじま」「瞳」「遥か」など)

姉羽鶴」の俳句例 (3件)

姉羽鶴ヒマラヤを越す風の中
有馬朗人【現代語訳】姉羽鶴が、吹き荒れる風のなか、ヒマラヤの険しい山並みを越えて飛んでいく。 【鑑賞】姉羽鶴の生態である「ヒマラヤ越え」をダイナミックに切り取った一句です。厳しい自然の風に立ち向かい、高空を翔け抜ける姉羽鶴の小さくも逞しい生命力を、無駄のない言葉で力強く描き出しています。
姉羽鶴見て来し瞳澄ましをり
能村登四殊【現代語訳】姉羽鶴を見てきたのであろうか、その瞳は秋の澄んだ空のように澄み切っている。 【鑑賞】姉羽鶴の優美な姿に出会った人物の様子(あるいは鳥自身の目)を捉え、その澄んだ美しい瞳に焦点を当てています。姉羽鶴の高貴な気品が、見る者の心まで洗練させていくような余韻のある句です。
姉羽鶴小さき翼をひろげけり
稲畑汀子【現代語訳】姉羽鶴が、その小柄な体躯に見合った小さな翼をふわりと広げた。 【鑑賞】ツルの中でも最も小柄な姉羽鶴の特徴を「小さき翼」という素直な措辞で捉えています。大空を渡る力強さの一方で、愛らしく可憐な佇まいを見せる姉羽鶴の魅力を優しく写生した作品です。

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