秋高し

秋高し

あきたかし

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意味・由来

「秋高し(あきたかし)」は、秋の空が澄み渡り、天が高く感じられる様子を表す三秋の季語です。夏場に比べて湿度が下がり空気が乾燥するため、大気の透明度が増して雲が高く見え、どこまでも青空が広がっているような爽快感を伝えます。「天高し」「空高し」とも言われ、古くは中国の故事「秋高馬肥(秋高く馬肥ゆ)」にも由来する、秋の心地よい気候を象徴する言葉です。

この季語で詠むコツ

「空が高い」「青空が美しい」という事実だけを述べてしまうと、平凡な句になりがちです。空の広がりや高さを引き立てるために、「地上の具体的なもの」や「小さな動作・日常のワンシーン」と対比させるのが効果的です。遠くの山並みや鳥の群れ、あるいは手元の作業やふとした視線の動きなどを合わせることで、秋晴れの立体感と抜けるような開放感を鮮やかに表現できます。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 建築物・構造物: 塔、屋根、白壁、煙突、窓
  • 自然・地理: 山脈、稜線、川原、波、梢
  • 動作・感覚: 仰ぐ、歩み止む、深呼吸、指先、遥か

秋高し」の俳句例 (3件)

秋高し何やら見えて山の上
正岡子規【現代語訳】秋の空が高く晴れ渡り、遠くの山の頂のあたりに何かが見えている。【鑑賞】どこまでも澄み切った秋空の下、遠くの山頂にふと目をとめたときの素朴な驚きを詠んでいます。「何やら見えて」という飾らない口語調の表現が、視界のクリアさと秋の日ののどかな明るさを際立たせています。
石を積む指尖を秋高しとし
石田波郷【現代語訳】石を一つ一つ積み上げる指先を見つめながら、澄み切った秋の空の高さをしみじみと感じている。【鑑賞】手元で石を積むという小さく具体的な行為と、無限に広がる高い秋空の対比が鮮やかです。病と向き合いながら日々を誠実に生きた波郷ならではの、静謐で凛とした精神性が感じられる名句です。
旅に倦みて秋高き海へ出づ
大野林火【現代語訳】長い旅の疲れを覚えながら歩いていたが、視界が開けて天高く晴れ渡った海辺へと出た。【鑑賞】旅の倦怠感を抱えていた作者の目の前に、突然広大な海と高い秋空が広がった瞬間の感動が描かれています。心身の鬱屈が一気に晴れ渡っていくような、爽快な空間の広がりが魅力の一句です。

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