秋師

秋師

あきし

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意味・由来

「秋師(あきし)」とは、秋に行われる寺院の法要(十夜法要や秋の彼岸、報恩講など)において、各地の寺に招かれて説教や法話を説く僧侶(説教師・布教使)を指す季語です。また、秋の興行で村々を巡る説教節の語り手などを指すこともあります。秋が深まり夜が長くなる季節、人々にわかりやすく仏の教えを語り聞かせるため、各地を巡歴して歩く秋師の姿は、秋の風物詩として親しまれました。

この季語で詠むコツ

秋師が訪れることで、普段は静まり返っている山寺や村が一時的な活気を帯び、そして去った後には以前にも増した静けさが残るという「人の集まりと去った後の寂寥感」のコントラストを描くのがポイントです。また、旅路をゆく秋師の飄々とした姿や旅の疲れ、夕暮れの寺頭の灯りなどを取り合わせることで、深まる秋の哀愁や人情味を豊かに表現できます。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 場所・情景:山寺、渡し舟、街道、寺の門、講中、灯(ともしび)
  • 自然・時候:秋風、夕日、十夜、夜長、草の露
  • 動作・状態:説く、去る、嗄れ声、旅草鞋、荷の重さ

秋師」の俳句例 (3件)

秋師乗る舟の遅さよ淀の川
炭太祇【現代語訳】説教僧(秋師)を乗せた舟が、淀川をのんびりと遅い速度で下ってゆくことよ。 【鑑賞】川をゆく乗合舟に乗り合わせた秋師の長閑でどこか厳かな旅姿を描いています。淀川の穏やかな流れと舟の進みの遅さが、秋の澄んだ時間の流れと見事に調和しています。
秋師どの背なかの荷物の大さよ
小林一茶【現代語訳】秋師殿よ、背負っていらっしゃる荷物がずいぶんと大きいことですね。 【鑑賞】街道を行く説教師の大きな旅荷物に目を留め、親しみを込めて呼びかける一茶らしい温かみのある句です。法話のために諸国を巡る秋師の苦労と実直さが微笑ましく浮かび上がります。
秋師来て山路の草の露深し
正岡子規【現代語訳】秋師がやって来るこの山寺への道は、草に置く露が深く濡れている。 【鑑賞】山深い寺へと説教にやって来た秋師の足元に目を向けた句です。朝露や夕露に濡れる草道が、深まる秋の冷気と求道的な旅情を鮮やかに際立たせています。

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