秋の別

秋の別

あきのわかれ

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意味・由来

「秋の別(あきのわかれ)」とは、秋の季節にする人と人との別れ、あるいは旅立ちを見送る情を指す季語です。春の別れが出会いと新たな門出の気配を帯びるのに対し、秋の別れは草木の枯れゆく風情や日脚の短さ、次第に冷えゆく大気などが重なり、独特の哀愁と寂寥感を深く醸し出します。古来、和歌や漢詩でも秋の送別は深く悲哀を帯びたものとして好んで詠まれてきました。

この季語で詠むコツ

単に「寂しい」「悲しい」と感情を直接語るのではなく、秋特有の自然現象や景情に心を託して詠むのがポイントです。暮れゆく空の茜色、吹き抜ける冷ややかな秋風、色づき散る木の葉など、具体的な情景を添えることで別れの切なさが際立ちます。また、別れの盃や残された手の冷たさなど、触覚や視覚のディテールを効かせると余韻が生まれます。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 風・空・光:「秋風」「夕暮れ」「残照」「暮色」「雲の影」
  • 場所・情景:「渡し舟」「駅」「岬」「街道」「宿」「背中」
  • 動作・心情:「見送る」「手を振る」「盃」「名残」「去りゆく」

秋の別」の俳句例 (3件)

秋の別れ水ゆくごとく去りゆきぬ
松本たかし【現代語訳】秋の別れは、水が滞ることなく流れてゆくかのように、静かに、そしてあっけなく去っていってしまったことだ。 【鑑賞】引き止めるすべもなく過ぎ去った別離の瞬間を、流れる水に喩えて詠んだ句です。秋の澄んだ水のような潔さと、その後に残される深い虚脱感や寂寥感が美しく表現されています。
秋の別れ手に触れしものみな冷えて
大野林火【現代語訳】秋の別れの時、指先に触れるものがことごとく冷たく感じられる。 【鑑賞】人と別れた直後の心の孤独感と、秋が深まりゆく冷気が重なり合い、触覚を通じて克明に描き出されています。身の回りの冷たさが、見送った後の切ない喪失感を強く訴えかけます。
秋の別れ草木も共に痩せにけり
加賀千代女【現代語訳】秋の別れを迎えたこの頃は、見送る私の心身だけでなく、周りの草木までもが一緒にやつれ衰えてしまったかのようだ。 【鑑賞】深まる秋の枯淡な風景と、別れの悲哀による自らの憔悴を重ね合わせて捉えた一句です。自然界の移ろいと人間の感情の響き合いが素直な言葉で見事に表現されています。

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