秋の峯入

秋の峯入

あきのみねいり

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意味・由来

「秋の峯入(あきのみねいり)」とは、修験道の山伏(修験者)たちが、霊山に籠もって修行を行うために山奥へと分け入ることを指す秋の季語です。「峯入」は四季を通じて行われますが、特に秋に行われる修行は「秋峰(あきみね)」とも呼ばれ、羽黒山や大峰山などで厳格な荒行が営まれます。 険しい山道を辿り、俗世を離れて仏と一体になるための神聖な行事であり、山伏たちの吹く法螺貝(ほらがい)の音や白装束の隊列は、秋の深まりゆく山の厳かな空気と深く結びついています。

この季語で詠むコツ

山伏たちの厳しい修行の姿そのものを描くだけでなく、山を包む自然現象(霧・露・雲・紅葉など)や、山あいに響き渡る「音」に着目すると奥行きが出ます。とりわけ谷間に木霊する法螺貝の音や、錫杖(しゃくじょう)の金属音、掛け声などは静寂な秋の山と強いコントラストを生み出します。また、見送る里人の視点や、修行者が消えていったあとの静けさを詠むのも効果的です。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 音や道具: 法螺の音(ほらのね)、錫杖(しゃくじょう)、白装束、草鞋(わらじ)、笈(おい)
  • 自然・情景: 朝霧、夕靄、深山、険道、雲海、岩肌、紅葉、木霊(こだま)

秋の峯入」の俳句例 (3件)

峰入の法螺吹き立つる朝霧や
正岡子規【現代語訳】峰入りを行う山伏が吹き鳴らす法螺貝の音が、深く立ち込める朝霧の中へ響き渡っていくことよ。 【鑑賞】朝霧に包まれた霊山の張り詰めた静寂を、突如として切り裂く法螺貝の鋭い響きを捉えた一句です。視覚的な白く深い霧と、聴覚的な力強い音が見事に対比され、修行の場の神聖さと厳しさが鮮やかに伝わってきます。
峰入や雲をふまへて立つてゐる
飯田蛇笏【現代語訳】峰入りの行者が、まるで眼下に広がる雲を踏みしめるかのように高き峰に毅然と立っている。 【鑑賞】険しい山道を登りつめ、雲海を見下ろす高みに立つ修験者の威厳を描いた力強い句です。「雲をふまへて」という表現によって、俗世を超越した行者の精神性の高さと、雄大な秋の山岳景観がダイナミックに表現されています。
峰入の法螺の響や霧の中
詠み人知らず【現代語訳】峰入りをする行者の法螺貝の響きが、視界を閉ざす濃い霧の奥から聞こえてくる。 【鑑賞】姿は見えないものの、濃霧の向こうから確かに届く法螺貝の音に焦点を当てています。秋の山の神秘的な気配と、厳しい自然の中で修行に励む行者たちへの畏敬の念が、簡潔な言葉の中に美しく凝縮されています。

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