秋の除目

秋の除目

あきのじもく

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意味・由来

「秋の除目(あきのじもく)」とは、平安時代以来、宮中で旧暦八月(秋)に行われた地方官(国司など)の任官儀式(県召除目・あがためしのじもく)を指す秋の季語です。春に行われる中央官吏の任官(司召除目)と対をなすもので、官職を得ようと待ち望む貴族たちの期待や落胆といった悲喜こもごもの人間模様が繰り広げられました。現代では歴史的な情景への追想や、秋の哀愁を帯びた人事・世情の移ろいを象徴する季語として詠まれます。

この季語で詠むコツ

歴史的な王朝文化の雅やかさとともに、出世や落選に一喜一憂する人間の生々しさ、あるいは秋の深まりゆく寂寥感を重ねて詠むのが効果的です。古都の寺社や旧跡の佇まいを描写したり、静まり返った夜の気配を取り入れたりすることで、過ぎ去った時代への余情や人生の無常観を格調高く表現することができます。

相性のいい言葉・取り合わせ

・情景・場所:都、古都、柴の戸、御所、夜更け、車の音 ・感情・人事:沙汰、落胆、望み、栄枯盛衰、静寂 ・自然描写:秋風、冷やか、月影、灯(ともしび)

秋の除目」の俳句例 (3件)

秋の除目都にあらぬ匂ひ哉
与謝蕪村【現代語訳】秋の地方官の除目が決まり、任地へ赴く準備のなかに都とは違った鄙びた地方の風情や匂いが感じられることだ。 【鑑賞】地方への赴任が決まった人物の身辺に漂う、都離れした旅情や哀感を繊細に捉えた名句です。
秋の除目都の沙汰の遠きかな
正岡子規【現代語訳】秋の地方官任命の儀式が行われているが、都からの知らせや世の動きは、ここには遠く及ばず静かなものだ。 【鑑賞】世俗の栄達や除目の賑わいから遠く離れた静寂の中で、秋の深まりと孤独感をしみじみと詠み上げています。
秋の除目門に車の音もなし
正岡子規【現代語訳】秋の除目の発表があったというのに、我が家の門前には祝いに訪れる牛車の音ひとつ聞こえてこない。 【鑑賞】除目に漏れて望みが叶わなかった官人の邸宅の冷ややかな静けさを描き、秋の寂寥感と人生の苦渋を巧みに表しています。

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