秋の旱

秋の旱

あきのひでり

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意味・由来\n「秋の旱(あきのひでり)」とは、秋になっても雨が降らず、乾燥と強い日差しが長引く現象(秋の旱魃)を指す季語です。夏の「旱(ひでり)」と比べると、本来であれば秋雨や台風などによって潤いをもたらされるはずの季節に雨が降らないという、一種の異常気象や落胆のニュアンスを含みます。実りの秋を迎えた農作物や稲にとって深刻な水不足となり、乾燥した大地や涸れた川など、特有の乾いた風情と農民の苦悩が背景にあります。\n\n### この季語で詠むコツ\n夏の旱のような燃えるような酷暑を描くのではなく、「秋特有の澄んだ空気」「乾いた風」「白っぽく乾いた大地」など、秋ならではの質感や色彩に焦点を当てることがポイントです。また、収穫期を前にした田畑の様子や、水かさが減った水路・川など、水不足に直面する自然や生き物、人々の営みを具体的に描写すると季語のリアリティが際立ちます。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n・乾きや土を連想させる言葉:土くれ、砂埃、白き石、涸れ川\n・視覚・触覚の描写:からから、ひび割れ、澄む空、強き日射し\n・農村や生活の風景:稲穂、畠(はたけ)、井戸、水路、疎水

秋の旱」の俳句例 (3件)

秋旱川涸れはてて石白し
高野素十【現代語訳】秋の長引く日照りによって川水がすっかり干上がり、露出した川底の石が白く乾ききっている。【鑑賞】水が涸れた川原の情景を、無駄のない写生によって捉えた一句。「石白し」という簡潔な色彩の提示が、秋になっても続く厳しい日照りと乾燥した大気の気配を鮮やかに浮かび上がらせています。
秋旱土くれ固き畠かな
正岡子規【現代語訳】秋の日照り続きのために、畑の土の塊がカチカチに硬くなってしまっていることだなあ。【鑑賞】雨が降らず水分を失った畑の土くれに着目し、乾燥しきった大地の様子を素朴かつ実感豊かに表現しています。作物の成長を案じる農の厳しさが率直に伝わる写生句です。
秋旱馬の背中に蝿たかり
村上鬼城【現代語訳】秋の日照り続きの暑さの中、馬の背中にたくさんの蝿がたかっている。【鑑賞】秋に入ってもなお続く乾燥と強い日差しの中での情景を、馬と蝿という具体的な生あるものを通して捉えています。乾いた大気とだるさの漂う空気感、過酷な自然に置かれた生き物の姿が哀感を伴って描かれています。

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