秋の服

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あきのふく

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意味・由来

「秋の服」は、初秋から仲秋にかけて朝夕の涼しさや肌寒さを感じる頃に着る衣服全般を指す季語です。夏の薄着から、長袖や少し厚手の布地、落ち着いた色合いの服へと衣替えする季節の移り変わりを表します。単に衣服の種類を指すだけでなく、袖を通したときに感じる秋風の冷たさや、季節の深まりに伴う物悲しさ、あるいは身が引き締まるような心地よさといった情緒が込められています。

この季語で詠むコツ

衣服の素材感(木綿、ウール、ニットなど)や色彩に注目するだけでなく、「袖を通した瞬間の肌ざわり」や「風をはらむ感覚」など、五感を生かして表現するのがコツです。夏の解放感から落ち着いた秋へと心が移ろう様子や、旅の装い、家族の佇まいの変化などを重ね合わせると、実感のこもった深い句になります。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 素材・色彩:紺、からし色、木綿、袖、襟、カーディガン
  • 触覚・動作:袖を通す、風をはらむ、身を包む、小さく見ゆ、たたむ
  • 情景・心情:夕暮、並木道、旅路、澄む空、静けさ、心改まる

秋の服」の俳句例 (3件)

妻の肩小さくなりぬ秋の服
大野林火【現代語訳】妻が秋の服を着ている姿を見ると、その肩が少し小さく華奢になったように感じられることだ。 【鑑賞】夏の薄着から落ち着いた秋の装いに変わった妻の後ろ姿に、ふと歳月の重みや儚さを見出した句です。日常の何気ない変化から夫婦の深い情愛と秋の哀愁が静かに伝わってきます。
秋の服着て海を見に行くばかり
桂信子【現代語訳】秋の装いに着替えて、ただ海を眺めに出かけるだけである。 【鑑賞】特別な用事があるわけではなく、秋風の立つ海を見に行くという静かな日常の孤独と自由を詠んでいます。「ばかり」という呟きのような措辞に、秋の服の質感と澄みわたる海辺の風情が重なります。
街いでて風とあそぶや秋の服
久保田万太郎【現代語訳】街の喧騒を抜け出して、秋の爽やかな風と戯れるように秋の服をなびかせている。 【鑑賞】少し厚みのある秋の服に心地よい秋風を受けながら歩く開放感を描いています。都会的な洗練された風情とともに、秋の訪れを全身で楽しむ軽やかな気分が表現されています。

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