秋の出代

秋の出代

あきのでがわり

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意味・由来

「秋の出代(あきのでがわり)」とは、江戸時代から行われていた奉公人の交代(出代)のうち、秋(主に旧暦八月頃)の時期に行われるものを指す生活の季語です。春の出代が年の初めの大きな交代期であるのに対し、秋の出代は半年契約の満了や補充などで行われました。住み慣れた奉公先を離れて故郷へ戻る者、あるいは新たな主人のもとへ移る者が荷物をまとめて旅立つ様子には、秋の澄んだ気配や物寂しさと相まって、独特の哀愁や人生の哀歓が漂います。

この季語で詠むコツ

「出代」という人事の背景にある、人の移動や別れ、新しい生活への緊張感を描くことが基本です。秋特有の自然景(秋風、落ち葉、夕暮れ、虫の声など)と取り合わせることで、旅立つ者の心細さや旅情を際立たせることができます。また、荷造りや草鞋、傘といった旅立ちの身の回り品に焦点を当てると、生活感と情感がこもった具体的な一句になりやすいでしょう。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 身の回りの物:荷物、風呂敷、笠、草鞋、別れ笠
  • 情景・道行き:街道、宿場、見送り、夕暮れ、辻(十字路)
  • 秋の季語・気候:秋風、秋の日差、秋雨、初嵐

秋の出代」の俳句例 (3件)

秋の出代親が買ひやる日傘かな
小林一茶【現代語訳】秋の奉公交代の旅立ちにあたって、親が買い与えてくれた日傘を持って出かけていくことだなあ。 【鑑賞】親元を離れて新たな奉公先へ向かう我が子への、親の切ない愛情と気遣いが「日傘」という具体的な品物に滲み出ています。一茶らしい温かな人間味が感じられる名句です。
秋の出代笠買ひかくる別れかな
炭太祇【現代語訳】秋の出代の折、旅立ちの笠を新しく買い与えて別れを惜しむことであるよ。 【鑑賞】旅立つ者と見送る者との情愛が描かれています。これからの旅路と奉公先での健康を祈り、新しい笠を買い与えて別れる情景が、秋の寂寥感とともに鮮やかに浮かび上がります。
秋の出代荷物かつぎて立ちにけり
高浜虚子【現代語訳】秋の出代を迎え、自分の荷物を肩に担いで新しい場所へと出立していった。 【鑑賞】身の回りのわずかな荷物を担いで歩き出す後ろ姿を客観的にスケッチしています。感情を直接述べず、淡々と事象を描くことで、秋の澄んだ空気と人生の節目にある厳しさが際立ちます。

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