秋出水

秋出水

あきでみず

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意味・由来

「秋出水(あきでみず)」とは、秋の長雨(秋霖)や台風の豪雨によって河川が増水し、氾濫することを指す三秋の季語です。単に「出水」というと夏の季語になりますが、「秋出水」は秋風が吹き抜ける中での冷たい濁流や、収穫期を控えた田畑への被害、災害後の肌寒い静けさなど、秋特有の凄まじさと物悲しさを伴います。

この季語で詠むコツ

夏の出水が持つ猛烈なエネルギーとは異なり、秋出水には「冷たさ」「哀愁」「荒涼感」が漂います。濁流そのものの勢いだけでなく、水が引いた後の泥濘や肌寒さ、流されていく稲束や家財など、被害の跡や周辺の情景を具体的に切り取ることで、季節の移ろいと被災の切なさを深く表現できます。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 泥、濁流、水音、岸、橋、舟
  • 稲架、藁塚、落葉、野分跡、冷気
  • 暮色、夜の空、無言、ひたひた

秋出水」の俳句例 (3件)

秋出水橋うしなへる夜の空
詠み人知らず【現代語訳】秋の出水によって橋が押し流されてしまい、渡るすべを失った暗い夜空がただ広がっている。 【鑑賞】濁流によって大切な橋を失った喪失感と、夜の暗がりや冷え込みが相まって、深い孤独と自然の脅威を描き出しています。
藁塚の流れてゆけり秋出水
高浜虚子【現代語訳】秋の出水に乗って、刈り取られた稲を積んだ藁塚がぷかぷかと流されてゆく。 【鑑賞】収穫の喜びを一瞬で奪い去る秋出水の冷酷さを、藁塚が淡々と流れていく写生によって静かに、かつ克明に捉えています。
家鴨啼くや一村暗き秋出水
夏目漱石【現代語訳】あひるが不安そうに鳴いている。秋の出水に見舞われ、村全体が薄暗く沈んでいる。 【鑑賞】水害に覆われた村の重苦しい空気感と、そこに響く家鴨の鳴き声が、不気味なほどの寂寥感と緊迫感を伝えています。

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