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「虻(あぶ)」は、春のうららかな日差しの中に飛び交う姿から、春の季語とされています。ハエの仲間ですが大柄で、春先には毛深く丸っこい姿のトラツリアブなどが早春の花を訪れます。蜂と違って針で刺す印象よりは、春の暖かさに誘われてどこかのんびりと飛び回る様子や、部屋に迷い込んで障子やガラスにぶつかる滑稽な姿が、昔から俳諧味のある題材として親しまれてきました。
虻を詠む際は、春特有の「のどかさ」や「光の明るさ」、あるいは「少し間の抜けた愛嬌」を捉えるのがコツです。「ブーン」という羽音の響き、部屋に迷い込んで出口を探す羽ばたき、日の当たる縁側や草むらでじっとしている様子など、五感を使って具体的に描写してみましょう。蜂のような鋭さや緊張感ではなく、春の眠気を誘うような緩やかな空気感を演出すると、虻らしさが引き立ちます。
・障子、窓硝子、縁側(明るい屋内外の境界を意識させる言葉) ・日なた、陽だまり、光(春の暖かさを感じさせる言葉) ・羽音、唸り(耳に届く音を捉える言葉) ・菜の花、野道(春の景色の言葉) ・うららか、のどか(春の穏やかな気候を表す言葉)
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