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「月待ち(つきまち)」は、秋の夜に月の出を今か今かと待ちわびることを表す季語です。もともとは特定の月齢(十七夜、十八夜、二十三夜など)の夜、月の出が遅くなる時期に人々が集まり、飲食を共にしながら月の出を待って祈願する民間信仰(月待講など)に由来します。俳句においては宗教的な行事の枠を超え、満月を過ぎて次第に出が遅くなる月を静かに待つ時間そのものの風情や、待ち遠しい心情を詠む風雅な季語として広く親しまれています。
「月待ち」の主役は、まだ夜空に現れていない月です。そのため、月そのものを美しく描写するのではなく、月が出る前の宵闇の静けさ、夜風の冷たさ、手元の灯り、あるいは待ち時間の会話や一人で過ごす静寂など、「待つ時間の情景や心の機微」を描くのが最大のコツです。時間がゆっくりと流れる感覚や、仄かな期待感を五感(肌寒さ、虫の声、酒の香りなど)を用いて表現すると、豊かな余韻が生まれます。
・時間や光を捉える言葉:宵闇、暮れ残る、灯火、行燈、影 ・待つ時間を彩る事柄:酒、盃、茶、語らい、静寂、障子 ・秋の風情を深める語:夜風、虫の声、薄(すすき)、露
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