月待ち

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つきまち

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意味・由来\n「月待ち(つきまち)」は、秋の夜に月の出を今か今かと待ちわびることを表す季語です。もともとは特定の月齢(十七夜、十八夜、二十三夜など)の夜、月の出が遅くなる時期に人々が集まり、飲食を共にしながら月の出を待って祈願する民間信仰(月待講など)に由来します。俳句においては宗教的な行事の枠を超え、満月を過ぎて次第に出が遅くなる月を静かに待つ時間そのものの風情や、待ち遠しい心情を詠む風雅な季語として広く親しまれています。\n\n### この季語で詠むコツ\n「月待ち」の主役は、まだ夜空に現れていない月です。そのため、月そのものを美しく描写するのではなく、月が出る前の宵闇の静けさ、夜風の冷たさ、手元の灯り、あるいは待ち時間の会話や一人で過ごす静寂など、「待つ時間の情景や心の機微」を描くのが最大のコツです。時間がゆっくりと流れる感覚や、仄かな期待感を五感(肌寒さ、虫の声、酒の香りなど)を用いて表現すると、豊かな余韻が生まれます。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n・時間や光を捉える言葉:宵闇、暮れ残る、灯火、行燈、影\n・待つ時間を彩る事柄:酒、盃、茶、語らい、静寂、障子\n・秋の風情を深める語:夜風、虫の声、薄(すすき)、露

月待ち」の俳句例 (3件)

月待やすゝき一輪酒の秋
与謝蕪村【現代語訳】月の出を待ちながら、一輪だけ挿した薄を前に酒を酌み交わす。まさに秋の夜の風雅そのものであるよ。\n【鑑賞】簡素に活けられた一輪の薄と一杯の酒だけで、秋の静けさと満ち足りた風流が鮮やかに立ち現れます。これから昇る月への期待と、待つ時間の心地よい酔いを見事に調和させた蕪村らしい名句です。
月待や障子あけてもまだ暮れず
野沢凡兆【現代語訳】月が出るのを待とうと障子を開けてみたが、まだ外は暮れきってはおらず明るさが残っている。\n【鑑賞】『猿蓑』所収。月待ちの気分が高まって早めに障子を開けたものの、まだ宵の口で空が明るいという、待ち焦がれる人間の心理を素直に写生しています。「まだ暮れず」という日常のさりげない瞬間に漂う、季節への愛おしさが光ります。
月待つや海へかたむく松の影
水原秋桜子【現代語訳】月が昇ってくるのを待っていると、まだ微かな明るさの中で、松の長い影が海に向かって傾いている。\n【鑑賞】海岸の風景を絵画のように切り取った近代俳句です。これから東の海から月が昇ってくる直前の、静まり返った海岸線の情景と松の影のコントラストが、見る者の視線を水平線へと自然に誘います。

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