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「頼政忌(よりまさき)」は、平安時代末期の武将であり優れた歌人でもあった源頼政(みなもとのよりまさ)の命日です。陰暦五月二十六日に行われる追悼の季語で、季節は夏にあたります。頼政は鵺(ぬえ)退治の伝説で勇名を馳せる一方、宮廷歌人としても重用されました。しかし治承四年(一一八〇年)、以仁王とともに平家追討の兵を挙げたものの宇治の戦いで敗れ、平等院の境内で自刃しました。「埋もれ木の花咲くこともなかりしに身のなる果てぞ悲しかりける」という無念の辞世の句が今に伝わっています。
武人としての剛毅さと、歌人としての優美さ、そして悲劇的な最期を遂げた頼政の生涯に思いを寄せて詠むのが基本です。自刃の地である京都の宇治川や平等院、あるいは頼政が自害したとされる「扇の芝」などの史跡を取り入れると、歴史の重みと臨場感が出ます。また、頼政の無念の魂が蛍となって飛び交ったという「頼政蛍」の伝説もあるため、川風や夜の闇、水音などを背景にして、哀愁と静けさをたたえた句に仕上げるのも効果的です。
・地名・史跡:宇治川、平等院、鳳凰堂、扇の芝 ・頼政にまつわる言葉:弓弦(ゆづる)、箙(えびら)、鏃(やじり)、辞世、武者 ・情景・無季の言葉:水音、川風、古刹(こさつ)、川波