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「厄日(やくび)」は仲秋の季語で、主に「二百十日(にひゃくとおか)」や「二百二十日」を指します。立春から数えて二百十日目(現在の九月一日頃)は台風の襲来が多く、開花期を迎えた稲が暴風雨で大きな被害を受けやすい時期でした。そのため、農家の人々にとって自然の猛威を恐れ警戒すべき凶日として「厄日」と呼ぶようになったのが由来です。日常会話で使う「ついていない日」という意味にとどまらず、天候の急変や災厄に対する人々の緊張感と祈りが込められた季語です。
単に「嫌なことがあった」という個人的な不運を詠むのではなく、自然の気配や天候の不穏さを背景に置くことが大切です。急に吹き抜ける冷たい風、どんよりと垂れ込める雲、厳重に閉ざされた雨戸など、周囲の情景を具体的に描写することで、厄日特有の張り詰めた空気感が立ち上がります。生活の中の細やかな備えや、静かに過ぎ去るのを待つ心情を切り取ると深みのある句になります。
・風、空模様、雨戸、波音、灯火(生活や自然の備えを示す言葉) ・稲穂、野分、秋風(秋の情景を補強する言葉) ・軋む、閉ざす、待つ、暮るる(緊張感や静寂を演出する動詞)
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