宇佐放生会

宇佐放生会

うさほうじょうえ

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意味・由来

「宇佐放生会(うさほうじょうえ)」は、大分県宇佐市にある宇佐神宮で秋に行われる放生会のことです。奈良時代(720年)の隼人の反乱において命を落とした人々の御霊を鎮め、供養するために始まったとされ、全国の八幡宮で行われる放生会の起源とも言われています。儀式では、生類憐れみの心から蜷(にな:川になどの貝)や魚を川や海に放つ「放生神事」が執り行われます。古代からの歴史と祈りを色濃く残す、厳かで哀歓の漂う秋の季語です。

この季語で詠むコツ

宇佐放生会を詠む際は、単なる秋の祭礼としての賑やかさだけでなく、古代の歴史への思いや、生きとし生ける命の尊厳、鎮魂の祈りといった精神性に焦点を当てると深みが出ます。また、放生神事で放たれる「蜷(川にな)」や「鳩」、舞台となる「寄藻川(よりもがわ)」や神社の杜、秋の澄んだ水や夕暮れの光など、具体的な風物を織り交ぜて情景を立ち上がらせるのがポイントです。

相性のいい言葉・取り合わせ

・生き物・自然:蜷(にな)、鳩、放魚(はなちうお)、寄藻川、秋の水、初秋の風 ・情景・社寺:神輿、御杖楽(みつえらく)、勅使、神垣、夕鳥居、古社 ・心情・抽象:鎮魂、命、祈り、いにしへ、哀憐、解き放つ

宇佐放生会」の俳句例 (3件)

宇佐の神放生会の鳩を放たれよ
阿波野青畝【現代語訳】宇佐の神よ、この放生会にあたり、平和と命の象徴である鳩を空高くお放ちください。 【鑑賞】宇佐神宮の御神前で、神事のクライマックスである生き物を解き放つ瞬間を祈りを込めて詠み上げた一句です。「放たれよ」という格調高い呼びかけに、命を慈しむ放生会の本義と八幡神への敬虔な崇敬が満ちています。
宇佐放生会をとめの髪の黒きこと
吉岡禅寺洞【現代語訳】宇佐放生会の神事において、奉仕する乙女の黒髪のなんと艶やかで美しいことだろうか。 【鑑賞】厳粛な神事の中で、白装束や巫女装束に映える若い女性の濡れたような黒髪に視点を据えた句です。秋の澄んだ空気感とともに、古代から連綿と続く神道の清らかさと若々しい生命の輝きが見事に捉えられています。
宇佐放生会蜷の川にも日は落ちて
吉岡禅寺洞【現代語訳】宇佐放生会で蜷貝が放たれた川にも、静かに秋の夕日が沈んでいく。 【鑑賞】放生神事が行われる寄藻川の夕景を描いた句です。放たれた小さな蜷(にな)の命を包み込むように日が傾く光景には、命の儚さとそれを包み込む大自然の静寂が感じられ、鎮魂の祭りにふさわしい深い余韻を残します。

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