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「ついり」とは「梅雨入り(つゆいり)」が変化した言葉であり、栗の花が落ちる頃に梅雨に入ることから「墜栗花(ついり)」の字を当てることもあります。「ついり曇」は、その梅雨の季節特有の、空一面が低く重たい雲に覆われた鬱陶しい曇天を指す季語です。「梅雨曇(つゆぐもり)」と同じ意味を持ちますが、どこか古風で雅やかな調べと、やわらかな風情を感じさせる言葉です。
単に「どんよりとして暗い」という気持ちをそのまま言葉にするのではなく、梅雨時ならではの濃密な湿気や空気の重さ、微かな光の陰影に目を向けるのが上達のコツです。雨が降り出す直前の独特の静けさや、水蒸気を含んだ生温かい風、湿り気を帯びた部屋の匂いなど、五感で捉えた情景を取り合わせることで、実感がこもった奥行きのある句になります。
・触覚や空気感を表す言葉(湿る、重たき、肌にまとわりつく、生温き) ・日常や室内の描写(窓硝子、古書、格子戸、湯呑み) ・夏の自然や生き物(青葉、若竹、苔、蝸牛、燕)