年寄の日

年寄の日

としよりのひ

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意味・由来

「年寄の日(としよりのひ)」は、秋(9月15日)の季語です。1947(昭和22)年に兵庫県多可郡野間谷村(現在の多可町)で「お年寄りを大切にし、知恵を借りて村作りをしよう」と始まった敬老行事が発祥とされています。これが全国に広がり、1951年に社会福祉中央協議会などが9月15日を「としよりの日」と定めました。その後、1966年に国民の祝日「敬老の日」へと発展しましたが、俳句の世界では「年寄の日」や「老人の日」としても詠み継がれています。長寿を祝い、日頃の感謝や敬老の情を込める季語です。

この季語で詠むコツ

単に「年配の方への感謝」という概念を述べるだけでなく、具体的な生活のひとコマや仕草、持ち物を描写することが大切です。家族から贈られた品物、日向ぼっこをする縁側、孫との触れ合い、あるいは当事者としての老いへの気構えや照れ笑いなど、日常の細やかな情景に焦点を当てると、実感がこもったあたたかみのある句になります。「老い」を寂しいものとして捉えるのではなく、どこか晴れやかで微笑ましいニュアンスを持たせるのがコツです。

相性のいい言葉・取り合わせ

・日常の動作や道具:杖、老眼鏡、湯呑、新しき帯、爪切り、散歩 ・身近な人物・家族:孫、曾孫、肩叩き、電話、手紙 ・秋の澄んだ情景:秋晴、日だまり、澄む秋、縁側、彼岸花

年寄の日」の俳句例 (3件)

年寄の日のあけぼのを洗ひけり
飯田蛇笏【現代語訳】年寄の日の朝を迎え、すがすがしい曙光の中で顔を洗ったことだ。【鑑賞】敬老の日(年寄の日)の朝、凛とした秋の気配のなかで顔を洗う所作を描いています。老境に入った自身の身心を清め、今日という日を粛々と寿ぐような厳かさと爽やかさが漂う一句です。
年寄の日をあたらしき帯しめて
長谷川かな女【現代語訳】年寄の日である今日、新しく仕立てた帯をしめて一日を過ごすことだ。【鑑賞】祝われる立場でありながら、お洒落心を忘れずに新しい帯をしめる作者の背筋が伸びるような心意気が感じられます。老いることを肯定的に楽しみ、華やぎをもって受け止める女性らしさが光る名句です。
年寄の日とて杖買ひにゆく妻よ
安住敦【現代語訳】年寄の日だからといって、これから杖を買いに出かけていく妻であるよ。【鑑賞】自分がお年寄りになったことを素直に受け入れ、あるいはこの日を口実に必要な杖を買いに行く妻の姿を、夫が優しいユーモアと愛情をもって見守っています。長年連れ添った夫婦の温かな日常が伝わります。

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