鷹の塒出

鷹の塒出

たかのとやで

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意味・由来

「鷹の塒出(たかのとやで)」とは、鷹狩りに使われる鷹が、夏の換羽期(羽が生え変わる時期)に籠もっていた鳥屋(とや・塒)から、秋になって新しい羽が生えそろい、再び野外へ出されることを指す仲秋の季語です。「鳥屋出(とやで)」とも呼ばれます。暗く静かな塒の中で大切に養われていた鷹が、澄み切った秋空の下へ解き放たれる瞬間には、野性味あふれる鋭い眼光や精悍な生気、そしてこれから始まる鷹狩りの季節への緊張感が漂います。

この季語で詠むコツ

長期間閉じ込められていた鷹が外へ出た瞬間の「緊張感」「躍動感」「目の鋭さ」を鮮やかに捉えるのがポイントです。静から動への劇的な変化、あるいは澄み渡る秋の大気や秋光、引き締まった風との対比を意識すると、季語の持つ緊迫した美しさが際立ちます。鷹自身の肉体(爪、嘴、羽、瞳)に焦点を絞る描写も非常に効果的です。

相性のいい言葉・取り合わせ

・光や風の描写(秋晴、秋風、日差し、蒼穹、青野) ・鷹の部位・仕草(鋭き眼、爪、羽搏き、拳) ・感情や気配を表す言葉(鋭気、凛々し、すさまじ、野性、緊張)

鷹の塒出」の俳句例 (3件)

鷹の鳥屋いでて野山を見直すか
森川許六【現代語訳】鳥屋から出された鷹が、久しぶりに目にする広大な野山を、鋭い眼差しで見つめ直しているのだろうか。 【鑑賞】長い間暗い鳥屋に籠もっていた鷹が、解き放たれて秋の雄大な自然を見据える姿を「見直すか」と擬人化を交えて詠んだ一句です。鷹の野生の勘が再び研ぎ澄まされていく瞬間が巧みに描かれています。
鷹の鳥屋出でて日を吸ふ力あり
飯田蛇笏【現代語訳】鳥屋から出た鷹には、秋の強い陽光そのものを全身で吸い込むかのようなみなぎる生命力がある。 【鑑賞】鳥屋から出されたばかりの鷹の精悍な姿と、圧倒的な生命力を捉えた名句です。「日を吸ふ力」という大胆な表現によって、秋の日差しの輝きと鷹の逞しさが重なり合い、格調高い力強さを放っています。
鳥屋出の鷹の鋭気や秋の風
阿波野青畝【現代語訳】鳥屋から出された鷹の鋭い気迫と、吹き抜ける秋の風の清冽さが互いに引き立て合っている。 【鑑賞】換羽期を終えて外に出た鷹の漲る鋭気と、身の引き締まるような秋風の感触を取り合わせた一句です。研ぎ澄まされた秋の空気感と、鷹が放つ野生の緊張感が簡潔かつ鮮明に表現されています。

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