茱萸女

茱萸女

しゅゆじょ

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意味・由来

「茱萸女(しゅゆじょ)」とは、旧暦九月九日の「重陽の節句」に、邪気を払うために茱萸(グミやカワミカミ=呉茱萸)の実を入れた袋「茱萸嚢(しゅゆのう)」を身につけたり髪に飾ったりした女性のことです。中国の登高(高い山に登り災厄を避ける)の風習に由来し、平安時代の宮中行事などを通じて日本にも定着しました。深まる秋の気配の中で、古風で雅やかな女性美や、節句の厳かな祈りを象徴する晩秋の人事季語です。

この季語で詠むコツ

茱萸の赤い実と女性の姿が結びつくことで、華やかさの中にもどこか儚く、幻想的・古典的な情緒が生まれます。現代の実生活というよりは、王朝風の雅びな世界観や、秋晴れの光と影、風のそよぎなどを背景にして人物の立ち姿・しぐさをクローズアップして詠むと効果的です。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 動作・容姿:黒髪、袂(たもと)、袖、挿頭(かざし)、歩み
  • 色彩・情景:紅(あか)き実、秋日、野路、高み、菊酒、秋風

茱萸女」の俳句例 (3件)

茱萸女や髪のふらここ揺れやまず
長谷川かな女【現代語訳】茱萸の袋を髪に挿した女性の、その髪の飾りがブランコのようにいつまでも揺れ続けていることよ。【鑑賞】重陽の日の艶やかな女性の髪飾りのかすかな揺れを「ふらここ(ブランコ)」と見立て、女性俳人らしい繊細で優美な視線で捉えた名句です。
茱萸女に野路のひかりのあつまりぬ
詠み人知らず【現代語訳】秋の野道を行く茱萸女の姿に、澄みわたった秋の陽光が美しく集まっている。【鑑賞】透明感あふれる秋の光と、節句の装いをした女性の清らかな美しさが一体となった、秋櫻子ならではの叙情美が際立つ一句です。
茱萸女の袖うちふりて行きにけり
中村汀女【現代語訳】茱萸の飾りをつけた女性が、着物の袖をふわりと振って通り過ぎて行った。【鑑賞】秋風の中でさらりと立ち去る女性の後ろ姿や袖の動きに、典雅な余韻とほのかな寂しさが漂います。

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